モバイルバッテリーを買うとき、商品説明に「PSEマーク付き」と書いてあるのに、届いた製品のマークがなんだか怪しい……そんな経験はありませんか?実は、PSEマークの偽物はネット通販を中心に出回っていて、正しい見分け方を知らないと知らずに危険な製品を使うことになりかねません。この記事では、2024年12月に完全移行した新しいPSE基準にも対応した、購入前と購入後それぞれの具体的なチェック方法を徹底解説します。PSEマークの基本的な意味から、偽物を見抜くポイント、さらに怪しい製品を見つけた場合の対処法まで、あなたが安全なモバイルバッテリーを選ぶために必要な情報をすべてまとめました。
PSEマークの基本をおさらいしよう
まずはPSEマークの基本から確認しておきましょう。PSEとは「Product Safety Electrical Appliance & Material」の略で、電気用品安全法に基づく安全基準を満たしていることを示すマークです。
モバイルバッテリーは2019年2月からこの規制の対象になりました。つまり、それ以降に日本で販売されるモバイルバッテリーには、原則としてPSEマークの表示が義務づけられています。マークがない製品は、法令違反の製品だと考えていいでしょう。
PSEマークには「ひし形」と「丸形」の2種類があることも知っておいてください。一般的なモバイルバッテリーは「丸形PSE」の対象です。ただし、コンセントのプラグが本体に直接ついているタイプの製品は、そのプラグ部分が特定電気用品に該当するため、「ひし形PSE」の要件も満たす必要があるケースがあります。この点は混乱しがちですが、まずは「普通のモバイルバッテリーは丸形PSE」と覚えておけば大丈夫です。
2024年12月に変わった!PSEの新基準完全移行とは
ここで非常に重要な最新情報をお伝えします。経済産業省の定める電気用品安全法の技術基準が、2024年12月に新しい基準へ完全移行しました(経済産業省 製品安全課、2024年)。これにより、旧基準で認証されたモバイルバッテリーの販売は、原則として禁止されています。
この情報は多くのネット記事でまだ十分に反映されていません。2024年12月以前に製造された製品でも、新基準に対応していないものは現在販売することができません。つまり、今あなたがオンラインショップで見ているモバイルバッテリーは、基本的にすべて新基準に対応しているはずなんです。
ただし、これには落とし穴もあります。在庫処分と称して旧基準の製品を販売している業者がまだ存在する可能性があるからです。あるいは、新基準に対応していないことを知らずに販売しているケースも考えられます。この点を踏まえて、次から具体的なチェック方法を見ていきましょう。
購入前にチェックすべき5つのポイント
安全なモバイルバッテリーを選ぶための第一歩は、購入前のオンラインチェックです。商品ページを開いたら、以下のポイントを順に確認してみてください。
1. PSEマークが商品画像に写っているか
まずは商品画像でPSEマークの有無を確認しましょう。マークが画像に写っていない製品は、そもそも購入候補から外すのが無難です。最近は正規品でも画像処理でマークが消されているケースがあるため、メーカーの公式サイトで同じ製品の画像と見比べるのも効果的です。
2. PSEマークの近くに事業者名が記載されているか
これは非常に重要なポイントです。PSEマークだけが単独で表示されている製品は、偽造の可能性が極めて高くなります。正規品であれば、マークの近くに届出事業者名(日本の輸入事業者名)が必ず記載されています(経済産業省 電気用品安全法ガイドライン)。
3. 定格電圧や容量などの仕様が明記されているか
製品ページに定格電圧、バッテリー容量、入力・出力電力などの基本的な仕様が明確に記載されているかもチェックポイントです。これらの情報が不十分だったり、あいまいな表記だったりする製品は、法令違反の疑いがあります。
4. 価格が極端に安くないか
安全基準をクリアするにはそれなりのコストがかかります。消防庁の発表(2024年)によれば、極端に安い製品ほどリスクが高まる傾向があります。目安として、大容量モデルで1,000円未満といった価格帯は注意が必要です。安全な製品には適正な価格がついているものだと考えましょう。
5. 「新PSE基準対応」の表記があるか
2024年12月以降に製造・輸入された製品であれば、「新PSE基準対応」や「2024年技術基準適合」といった表記がされていることがあります。必ずしもすべての製品にこの表記があるわけではありませんが、あればひとつの安心材料になります。
購入後に実物で確認すべき4つのポイント
商品が届いたら、今度は実物を使ってしっかり確認しましょう。ここで紹介するポイントは、どれも実際に手に取ってすぐにチェックできることばかりです。
1. PSEマークが本体に印字されているか
一番最初に確認したいのは、PSEマークが本体に印字されているかどうかです。この点は多くのユーザーからも疑問の声が上がっています。安全な製品であれば、マークはシールではなく本体に直接印字されているのが基本です(エレコム株式会社、2025年)。シールで貼ってあるだけの製品は、偽造のリスクが格段に高まります。
2. 届出事業者名が日本語で明記されているか
PSEマークの近くに、日本の事業者名が日本語で記載されているか確認してください。英語表記だけであったり、事業者名がまったく記載されていなかったりする場合は、疑ってかかったほうがいいでしょう。Ugreenの公式ブログ(2026年)でも、この点が重要なチェック項目として挙げられています。
3. 型番や定格電圧などの情報が揃っているか
本体には型番、定格電圧、容量、製造国などが明記されているはずです。これらの情報が一部でも欠けている場合は、正規のルートで輸入された製品ではない可能性があります。
4. 販売元の連絡先が実在するか
製品のパッケージや取扱説明書に記載されている販売元の住所や電話番号が実在するかどうかも、ひとつの判断基準になります。実在しない連絡先が記載されている製品は、ほぼ間違いなく問題のある製品です。
PSEマークにまつわるよくある誤解とその真相
PSEマークについては、いくつかの誤解がネット上に広がっています。ここでは代表的な誤解を整理しておきましょう。
「PSEマーク=国が安全性を認証した証明」という誤解
これは非常に多くの人が持っている誤解です。実際には、一般的なモバイルバッテリーは「届出」制度の対象であり、国が一台一台を検査して認証を発行しているわけではありません。PSEマークは、事業者が自ら技術基準に適合していることを確認し、その旨を届け出た証しです(経済産業省)。つまり、PSEマークがあるからといって絶対に安全というわけではなく、あくまで「法令で定められた最低限の安全基準を満たしていると事業者が申告している」という意味合いが強いのです。
「ひし形PSEはすべてのモバイルバッテリーに必要」という誤解
先ほども触れたように、一般的なモバイルバッテリーは丸形PSEの対象です。ひし形PSEが必要になるのは、ACプラグが本体と一体化している製品など、特定の構造を持つものに限られます。ただし、ACプラグ一体型の製品の場合、製品全体としてひし形PSEの要件を満たす必要があるため、この区別を理解しておくことが重要です。
もし怪しい製品を買ってしまったら?具体的な対処法
ネット通販で購入した製品にPSEマークがなかったり、明らかに偽造マークだったりした場合、どう行動すればいいのでしょうか。ここで具体的な対処法を整理しておきます。
1. まずは販売事業者に問い合わせる
購入したモール(Amazonや楽天など)の窓口を通じて、販売事業者に問い合わせてみましょう。製品のPSEマークについて質問し、届出事業者名や技術基準適合の証明を求めると、偽物の場合は曖昧な返答が返ってくることが多いです。
2. 経済産業省やNITEに情報提供する
販売事業者が対応しない場合や、明らかな法令違反が疑われる場合は、経済産業省の製品安全課やNITE(製品評価技術基盤機構)に情報提供を行うことを検討してください。NITEはネット通販での購入に関する注意喚起を繰り返し行っています。
3. モールに通報する
Amazonや楽天などのショッピングモールには、違反商品を通報する機能が備わっています。証拠となる商品画像を添えて通報することで、その出品者がアカウント停止などの処分を受ける可能性があります。
4. 使用を即座に中止する
何より重要なのは、怪しいと感じたら絶対に使用しないことです。PSEマークがない、または偽造された製品は、発火や破裂のリスクが極めて高いです。たとえ動いたとしても、安全性はまったく保証されていません。
信頼できるモバイルバッテリーのおすすめ製品
ここまで読んで「じゃあ、結局どの製品を選べばいいの?」という疑問にお答えします。ここで紹介するブランドの製品は、PSEマークの正規表示や安全性で定評があります。
Anker モバイルバッテリー 10000mAh
Ankerは世界最大級のモバイルバッテリーブランドのひとつで、PSEマークの適正表示はもちろん、複数の保護回路を搭載している点が評価されています。
エレコム モバイルバッテリー 大容量 20000mAh
日本の電気機器メーカーとして長い歴史を持ち、PSE法改正についても公式にわかりやすい解説を公開しているほど情報開示に積極的です。
UGREEN モバイルバッテリー 145W
PSEマークの仕組みについて自社ブログで詳しく解説しているように、ユーザーへの情報提供に真摯な姿勢が見えるブランドです。
CIO モバイルバッテリー 急速充電
コンパクトながら高出力なモデルが多く、PSEマークや届出事業者名も明確に表示されていることで知られています。
モバイルバッテリーのPSE偽物を見分けるためにできること
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。モバイルバッテリーのPSE偽物を見分けるポイントは、購入前のオンラインチェックと、購入後の実物確認の2段階で行うことが重要です。特に、PSEマークが本体に印字されているかどうか、そしてマークの近くに日本語の事業者名が記載されているかどうかは、最も外せないチェックポイントです。
あわせて、2024年12月に新基準が完全移行していることを意識し、旧基準の製品がまだ販売されていないか注意するようにしてください。もし怪しい製品を見つけたら、販売事業者への問い合わせやモールへの通報といった行動をとることで、あなた自身の安全を守るだけでなく、他の被害を防ぐことにもつながります。
安全なモバイルバッテリー選びの基準は、「なんとなく」ではなく「明確なチェックポイント」で判断することです。この記事が、あなたの製品選びの判断基準として役立てば幸いです。





コメント