パソコンのUSBポート、足りてますか?マウスレシーバー、USBメモリ、外付けHDD……気づいたらポートが全部埋まっていて、新しい機器を接続するたびに抜き差しの繰り返し。そんな悩みを解決してくれるのがUSBハブ付きキーボードです。でも、実はこの製品、ただ「ハブが付いてる」だけじゃダメで、USB2.0なのかUSB3.2 Gen1(旧USB3.0)なのかで、その後の使い勝手が大きく変わってきます。
結論から言うと、これから買うならUSB3.2 Gen1ポートを搭載したモデルを選びましょう。転送速度はUSB2.0の約10倍、電力供給量も倍以上になるので、外付けSSDや高速USBメモリもストレスなく使えます。価格差はだいたい1,000円前後ですが、その差は十分にペイできるレベルです。この記事では、多くの比較記事が触れていない「USBポートの規格」と「電力供給の制限」という視点から、本当に失敗しない選び方を解説していきます。
USBハブ付きキーボードの「USBポート」、実は大きく2種類ある
まず知っておきたいのが、キーボードに搭載されているUSBハブのポート規格です。2026年8月現在、市販されているUSBハブ付きキーボードの内蔵ハブは、大きくUSB2.0とUSB3.2 Gen1の2種類に分かれます。
サンワサプライの公式製品情報(サンワサプライ公式サイト、製品ページ)を確認すると、同じシリーズでもポート規格の異なるモデルが用意されているのがわかります。USB2.0の最大転送速度は480Mbps。一方、USB3.2 Gen1は最大5Gbpsで、理論値は約10倍の差があります。
実際の使用シーンで言うと、USBメモリに大きなファイルをコピーするとき、USB2.0では数分かかる処理がUSB3.2なら数十秒で終わる、というイメージです。特に動画編集やバックアップで大容量データを扱う方には、この差は大きいでしょう。
意外と知られていない「電力の壁」—バスパワーで動くものと動かないもの
USBハブ付きキーボードの多くは、ACアダプタを必要としないバスパワー方式を採用しています。キーボード自体がパソコンから電源をもらって動作し、その電力をハブの接続機器にも分配する仕組みです。
ここに落とし穴があります。サンワサプライの製品仕様(サンワサプライ公式サイト)を見ると、USB2.0搭載モデルでは2ポート合計で400mA、USB3.2 Gen1搭載モデルでは同じく2ポート合計で820mAという電力制限が明記されています。
この数字、何を意味するかというと、消費電力の大きい機器は接続できないということです。例えば、ポータブル外付けHDDやSSD、CD/DVDドライブなどは、バスパワーでは安定動作しない場合があります。Amazonやモノタロウのユーザーレビュー(2026年8月時点)でも「外付けHDDが認識されなかった」「電力不足で機器が不安定」といった報告が複数見られました。
つまり、USBハブ付きキーボードはあくまで「マウスレシーバー」「USBメモリ」「スマホ充電ケーブル」などの小型・低消費電力機器を接続するためのもので、電力を多く消費する機器は別途ACアダプタ付きのUSBハブを使うか、パソコン本体のポートに直接差すほうが無難です。この点は、多くの製品紹介記事ではあまり詳しく触れられていない、重要な注意ポイントです。
上位記事にない比較軸:USB2.0 vs USB3.2、どっちを選ぶべき?
それでは具体的に、USBハブ付きキーボードを選ぶ際の判断基準を整理していきましょう。以下の表は、サンワサプライの同シリーズ製品をポート規格と価格で比較したものです(サンワサプライ公式製品ページをもとに作成)。
| 製品名(品番) | テンキーの有無 | 内蔵USBハブ規格 | 参考価格(税込・サンワサプライ公式参照) | 電力供給目安(合計) |
|---|---|---|---|---|
| SKB-KG2UH2BK | あり | USB 2.0(2ポート) | 4,620円 | 400mA |
| SKB-KG2UH3BK | あり | USB 3.2 Gen 1 / USB 2.0(各1ポート) | 5,720円 | 820mA |
| SKB-KG3UH2BK | なし(コンパクト) | USB 2.0(2ポート) | 4,400円 | 400mA |
| SKB-KG3UH3BK | なし(コンパクト) | USB 3.2 Gen 1 / USB 2.0(各1ポート) | 5,280円 | 820mA |
価格差はUSB2.0モデルとUSB3.2モデルでだいたい1,000円前後。この差をどう見るかが分かれ目です。
USB3.2モデルがおすすめな理由
USB3.2を選ぶメリットは、単に「速い」だけではありません。
- 将来性がある:新しいUSBメモリや外付けSSDの多くはUSB3.2対応が当たり前。今後買う周辺機器の性能をフルに活かせます。
- 電力供給に余裕がある:同じバスパワーでも820mAあれば、USB2.0の400mAよりは対応できる機器の幅が広がります。
- 転送速度のストレスがない:大容量データのコピーやバックアップ時にイライラしません。
逆にUSB2.0モデルが向くのは、「マウスレシーバーとたまにUSBメモリを挿すだけ」「とにかく安いものがいい」というライトユーザーでしょう。
テンキーの有無も重要な選択肢
もう一つ、意外と悩ましいのがテンキーの有無です。同じシリーズで比較すると、テンキーあり(SKB-KG2UH2BK / SKB-KG2UH3BK)とテンキーなし(SKB-KG3UH2BK / SKB-KG3UH3BK)が用意されています。
テンキーありは数字入力が多い人(会計業務やデータ入力)に便利ですが、その分キーボード全体の横幅が大きくなります。テンキーなしはデスクがコンパクトに使える反面、数字入力が少し不便になります。このトレードオフは、自分の作業スタイルで決めるのがいいでしょう。
実際のユーザーは何を評価し、何に不満を持っているか
Amazon、モノタロウ、Gランキングのレビュー(2026年8月時点)を総合すると、ユーザーの声にはっきりとした傾向が見えてきました。
ポジティブな声(約6割) としては、「USBポートが増えて便利」「コンパクトなのにテンキーが付いていて助かる」「サンワサプライの製品は造りがしっかりしていて打感がいい」といった評価が多く見られました。特に、幅が400mm以下に収まるコンパクト設計を評価する声が目立ちました。
ネガティブな声(約2割) で多かったのが、先述の電力不足問題です。「外付けHDDが認識されなかった」「電力が足りずにマウスが不安定になる」といったバスパワー起因のトラブル報告が複数ありました。また、「キーボードの打ち心地が思っていたのと違った」という、実際に試せないことによる後悔の声も複数確認されています。
これらの口コミからわかるのは、購入前に「何を接続したいか」「どのくらいの電力を必要とするか」をきちんと把握しておくことの重要性です。
注意点:Macで使う場合の互換性
もう一つ、特にMacユーザーが気をつけるべきポイントがあります。サンワサプライの各製品仕様ページを確認すると、対応OS欄には「Windows 11 / 10 / 8.1 / 7」と記載されており、macOSは公式対応外です。
もちろん、キーボード自体はUSB接続なのでMacでも物理的に使える場合が多いのですが、ファンクションキーが正しく機能しない、特定のキー配置が異なるなど、完全に互換性が保証されているわけではありません。Macで使うことを前提に購入するなら、事前にメーカーに問い合わせるか、Mac対応を明記している他メーカーの製品を検討するのが無難です。
おすすめ製品と選び方のまとめ
それでは、ここまでの内容を踏まえて、具体的におすすめできる製品を紹介します。いずれもサンワサプライの製品で、USBハブ付きキーボードの定番モデルです。
テンキーあり&USB3.2搭載モデル
USB2.0とUSB3.2で迷ったら、このモデルを選んでおけば間違いありません。価格差は1,000円程度ですが、転送速度と電力供給の余裕を考えれば十分に価値があります。テンキーも付いているので、数字入力が多い作業にも対応できます。
コンパクト志向ならこちら
デスクスペースをできるだけ小さくしたい方や、持ち運びも視野に入れている方には、テンキーレスのコンパクトモデルがおすすめです。こちらもUSB3.2ポート搭載で、速度と電力の面で安心感があります。
予算を抑えたいならUSB2.0モデルも
「マウスレシーバーとUSBメモリが挿せればそれで十分」というライトユーザーには、USB2.0モデルも現実的な選択肢です。同じテンキーありでUSB3.2モデルより約1,000円安く、コストパフォーマンスに優れています。
さらにデスクをコンパクトにしたい方で、かつUSB2.0で十分という場合の選択肢です。テンキーレス・USB2.0モデルは最も手頃な価格帯で、必要最低限の機能を備えています。
USBハブ付きキーボードは、デスク周りの配線をスッキリさせて作業効率を上げる、とても実用的なアイテムです。でも、ただ「ハブが付いている」という理由だけで選ぶのは、もったいない。USBポートの規格(2.0か3.2か)とバスパワーの制限という2つの視点を持って選ぶことで、買ってから「思っていたのと違った」という後悔をぐっと減らせます。
自分がどんな機器を接続したいか、どれくらいの転送速度が必要か。それを一度整理してから、自分にぴったりの一台を選んでみてください。





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