「え、FILCOってもう買えなくなるの?」
2026年4月、そんな衝撃的なニュースが日本のキーボード界隈を駆け抜けました。FILCOブランドを展開してきたダイヤテック株式会社が事業を停止し、破産手続き開始の決定を受けたのです。
メカニカルキーボードの代名詞として、20年以上にわたって日本のタイピストやゲーマー、プログラマーから愛されてきたFILCO。その突然の報に、「今のうちに買っておくべき?」「壊れたら修理できるの?」「もう手に入らないなら、次は何を選べばいい?」そんな声があちこちから聞こえてきます。
この記事では、FILCOメカニカルキーボードの現状と、今だからこそ知っておきたい軸の選び方、そしてもし手に入らなかったときの頼れる代替機まで、正直ベースでお伝えしていきます。
FILCOメカニカルキーボードは今どうなっているのか
まず、一番気になる「今の状況」から整理しましょう。
ダイヤテックの事業停止は事実です。帝国データバンクの発表によれば、2026年4月に東京地裁へ破産手続き開始の申し立てが行われています。新品の製造はすでに終了しており、公式での販売もストップしています。
ただし、これが「もう完全に手に入らない」を意味するわけではありません。
Amazonや楽天、家電量販店の在庫には、まだFILCOのキーボードが残っているケースがあります。特に人気のFILCO Majestouch 3やFILCO Majestouch Convertible 3は、流通在庫があれば今のうちに購入できる可能性があります。
サポートや修理については、正直なところ不透明です。メーカーとしての窓口がなくなるため、今後のアフターサービスは期待できないと考えておいたほうが無難でしょう。「どうしてもFILCOがいい」という方は、なるべく早めに在庫を探すことをおすすめします。
FILCOが愛され続けた理由をざっくり振り返る
「なんでそこまでFILCOが特別だったの?」という方のために、簡単におさらいしておきます。
FILCOの最大の魅力は「無駄を削ぎ落とした道具感」でした。
ゲーミングキーボードのような派手なLEDもなければ、ゴテゴテしたデザインもない。でも、タイピングした瞬間にわかる剛性感と、Cherry MXスイッチの正確な打鍵感。それが20年以上、プロの物書きやエンジニアから圧倒的な支持を受けてきた理由です。
特にMajestouchシリーズは、日本製の高級万年筆や腕時計に通じる「一生モノの道具」という立ち位置でした。PBT2色成形キーキャップで文字が消えず、何年使ってもヘタらない。そういう真面目さがウケていたんですね。
自分に合う軸はどれ?定番4種をざっくり解説
FILCOの話をするうえで欠かせないのが「軸」選びです。いわゆるスイッチの種類で、これによって打鍵感や音がまったく変わります。FILCOが採用していたCherry MXスイッチの定番4種類を、感覚的に解説しますね。
青軸
カチカチっとしたクリック感と、高めの打鍵音が特徴。タイプしている実感が強く、ノリノリで文章を書きたい人に好まれます。ただし音はかなり響くので、オフィスや自宅で家族がいる環境だと「うるさい」と言われるかも。
茶軸
青軸の軽いバージョンと思ってもらえれば。ほんのりとしたクリック感があり、底打ちしたときの感触もマイルド。「初めてのメカニカル」に最適で、FILCOのベストセラー軸でした。
赤軸
クリック感がなく、スコスコと軽く押せるリニアタイプ。底までストンと抜ける感触で、指への負担が少なめ。ゲーマーや長時間タイピングする人に支持されています。
静音赤軸
赤軸の打鍵感はそのままに、内部にゴムダンパーを仕込んで打鍵音を抑えたモデル。在宅勤務や深夜作業にぴったりで、Majestouch Convertible 3に搭載されていることも多いです。
FILCOのキーボードを狙うなら、この4軸のどれかを基準に探すことになります。どうしても迷ったら茶軸か静音赤軸を選べば大きく外さない、と言われてきました。
FILCOの名機たち。今買える可能性があるモデル
閉業発表後も、一部の流通在庫で見かけることがあるFILCOの代表モデルを紹介します。
FILCO Majestouch 3は、FILCOのど真ん中と言えるスタンダードモデル。フルサイズとテンキーレスがあり、PBT2色成形キーキャップの高い耐久性が魅力です。Cherry MXスイッチ搭載で、まさに「一生モノ」を体現した一台でした。
FILCO Majestouch Convertible 3は、Bluetooth 5.1とUSB有線の両対応ハイブリッドモデル。最大5台までのデバイスとペアリングでき、ボタンひとつで切り替え可能。在宅とオフィスを切り替える人や、タブレットとPCを併用する人に人気でした。
どちらも新品で見つかればラッキー。ただ在庫は減り続けているので、買うなら今です。
FILCOが買えなかったら?頼れる代替機
「在庫が見つからない」「サポートなしは不安」という方のために、FILCOの代わりになりうる高品質なキーボードも紹介します。
HHKB Professional HYBRID Type-S
PFU(富士通グループ)が展開する国産高級キーボード。コンパクトなのに打鍵感は折り紙付きで、静電容量無接点方式を採用しているため長く使っても疲れにくい。Type-Sは静音仕様で、HHKB Professional HYBRID Type-SはFILCOユーザーからの乗り換え先として筆頭候補です。
REALFORCE R3
東プレの静電容量無接点キーボード。キーを底まで押し込まなくても入力できる「アクチュエーションポイント変更機能」が特徴で、長時間タイピングするライターやプログラマーに特に人気です。REALFORCE R3はオフィスでも使いやすいデザインで、FILCOに近い真面目な雰囲気があります。
Keychron Q1 HE
ここ数年で一気に存在感を増したKeychronのハイエンドモデル。ラピッドトリガーや高速入力を可能にするホール効果スイッチ搭載で、ゲーミングとタイピングを高次元で両立。アルミ筐体の剛性感はFILCOを彷彿とさせます。Keychron Q1 HEは特にカスタマイズ好きな方におすすめです。
NuPhy Air75 HE
薄型ながら磁気スイッチを搭載したハイブリッドモデル。持ち運びやすさと打鍵感を両立しており、出先でも本格的なタイピングを求める方に。NuPhy Air75 HEはクリエイターやフリーランスの方から支持を集めています。
メカニカルキーボードは「道具」だからこそ
FILCOの終了はひとつの時代の区切りではあります。でも、これをきっかけに「自分にとって本当に使いやすいキーボードとは何か」を考えるのも悪くないはずです。
打鍵感、重さ、音、配列、デザイン。正解はひとつじゃありません。FILCOが教えてくれたのは、キーボードは消耗品ではなく「道具」だということ。そのマインドを持って選べば、次に手にする一台もきっと長く付き合える相棒になるでしょう。
これからのメカニカルキーボード選びが、あなたにとって納得のいく体験になりますように。
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