「ゲーミングモニターといえばEIZO」――そう思って調べ始めたあなた、ちょっと待ってください。結論から言うと、EIZOのゲーミング専用シリーズ「FORIS」は、2015年を最後に新製品が発売されておらず、事実上ラインナップから消えています。EIZO公式の機種別情報を見ても、FORISシリーズに登録されている最新モデルは「FS2735」の1機種のみで、発売からすでに10年以上が経過しています。
つまり、「EIZOのゲーミングモニターを新品で買う」という選択肢は、2026年8月時点ではほぼ存在しません。でも、どうしてもEIZOの「目に優しい」という評判を信頼して、ゲームにも使いたい――そんなあなたに向けて、この記事では「FORISが買えない今、どうするか」という現実解を、他社比較や実際のユーザー意見も交えながら徹底的に解説していきます。
EIZOのゲーミングモニター「FORIS」シリーズは今どうなっている?
まずはっきりさせておきましょう。EIZOの公式サポートページにある「機種別情報」のブランド一覧を見ると、ゲーミング向けとされるFORISシリーズに該当するモデルは「FS2735」ただ1つだけです。このモデルの発売年は2015年。つまり、EIZOはこの10年以上、ゲーミングモニターの新製品を一切投入していないのです。
これは「販売終了」という公式アナウンスがあったわけではありませんが、現実的に新品での購入は絶望的です。中古市場ではまだ取引がありますが、10年前のモデルをゲーム用に買うのは、スペック面で大きなハンデを負うことになります。
重要なのは、EIZO自体がゲーミング市場から撤退したわけではなく、単に「FORIS」というブランドの更新を停止しているという点です。同社の主力は医療用モニターやクリエイター向けのColorEdgeシリーズ、そしてビジネス向けのFlexScanシリーズにシフトしています。実際、EIZOの2025年3月期の業績を見ると、医療用モニターが売上の約46%を占める主力事業となっています。
つまり、EIZOは「ゲーミング専用機」を作らなくなっただけで、モニター自体の品質や技術は進化し続けているのです。では、今EIZOのモニターでゲームをするにはどうすればいいのでしょうか。
ゲーマーが知っておきたいEIZOモニターの「向き不向き」
EIZOの現行主力シリーズは「FlexScan」です。オフィスや在宅ワーク向けに設計されたこのシリーズを、ゲームに使うのは「あり」なのか。ここが最大のポイントになります。
実際のユーザーの声を集めてみると、ポジティブな意見としては「目の疲れが段違いに軽減された」「長時間のテキスト作業でも頭痛がしなくなった」「一度EIZOを使うと他社には戻れない」といった声が多く見られました。特に「Paperモード」や周囲の明るさに応じて輝度を自動調整する「Auto EcoView」といった機能への信頼は厚く、目の健康という軸では他社を圧倒しているのが実情です。
一方で、ゲーマー目線のネガティブな声も少なくありません。「価格が高すぎる」「同スペックのDellと比べて1.5〜3倍する」というコスト面の不満に加え、ゲーム性能そのものに対する指摘も目立ちました。例えば、4KモニターとフルHDのEIZOをデュアルモニターで使うと、画質の粗さが気になるという声や、内蔵スピーカーの音質が悪いという意見も複数確認されています。
では、具体的にFlexScanをゲームに使うと、どのようなデメリットがあるのか。他社ゲーミングモニターと比較した表を見てみましょう。
| 評価軸 | EIZO FlexScan(例: EV2740X) | 一般的なゲーミングモニター(例: BenQ ZOWIE / ASUS ROG) | ゲーマーへの影響度 |
|---|---|---|---|
| リフレッシュレート | 60Hz(最大61Hz) | 144Hz / 240Hz / 360Hz | 致命的:FPSや格闘ゲームで滑らかさが大きく異なる |
| 応答速度(GtG) | 約5ms | 0.5ms〜1ms | 大きな差:残像感や入力遅延の原因になる |
| 可変リフレッシュレート(VRR) | 非対応(G-SYNC/FreeSyncなし) | ほぼ標準搭載 | 大きな差:画面のティアリングが発生しやすい |
| 入力遅延(体感基準) | 約10ms前後と推測(事務用チューニング) | 約5ms未満(ゲーム用チューニング) | 影響あり:反応速度が求められるタイトルで不利 |
| ゲーミング専用機能 | なし(クロスヘア表示等なし) | 充実(クロスヘア、ブラックイコライザー等) | 影響あり:FPSでの視認性向上機能がない |
| 適合タイトル | シミュレーション、RPG、動画編集 | FPS、TPS、対戦格闘、レースゲーム | 明確な棲み分け:ジャンルによって価値が変わる |
(出典:EIZO公式スペックおよび各社公表データをもとに2026年8月時点で作成)
この表を見てわかる通り、FlexScanは「ゲームをするために作られたモニター」ではありません。リフレッシュレート60Hzというのは、2026年のゲーミングモニター市場では明らかに時代遅れです。240Hzが主流になりつつある今、60HzでFPSをプレイすると、動きの滑らかさに歴然とした差が出ます。
では、EIZOのモニターはゲームに全く使えないのかというと、そうとも言い切れません。プレイするゲームのジャンルを選べば、十分に活用できるシーンはあります。
こんなゲーマーにはEIZOがおすすめできる
EIZOのFlexScanをゲームに使う場合、以下の条件に当てはまる人には「あり」の選択肢になります。
まず、FPSや対戦格闘ゲームをがっつりやらない人。『シヴィライゼーション』のようなターン制ストラテジーや、『ゼルダの伝説』のようなアクションRPG、あるいは『FF14』のようなMMORPGでは、240Hzも144Hzも必要ありません。むしろ、長時間プレイしても目が疲れにくいEIZOの特性が生きてきます。
次に、ゲームと仕事(デザイン・動画編集・コーディングなど)を同じモニターでやりたい人。色の正確性や解像度の高さが求められる作業と、たまのゲームプレイを1台でまかないたいというニーズには、EIZOは非常にマッチします。実際、FlexScan EV2740Xは27インチ4Kでコントラスト比2000:1を実現しており、クリエイティブ作業にも十分耐えうるスペックを持っています。
そして、とにかく目を大事にしたい人。これは断言できるのですが、EIZOの「目に優しい」は単なる謳い文句ではありません。輝度調整の幅が広く、オフィス向けにチューニングされたAuto EcoViewは、周囲の明るさに合わせて画面の明るさを自動で最適化します。長時間のゲームセッションでも、目の疲れを感じにくいというのは多くのユーザーが実感しているポイントです。
ただし、ここで一つ注意点があります。デュアルモニター環境でEIZOと他社モニターを併用する場合、解像度の違いによる違和感が生じることがあります。例えば、4KのEIZOとフルHDのサブモニターを並べると、文字の大きさや画質の粗さが気になるという報告が複数見られました。この点は事前に理解しておいたほうがいいでしょう。
「EIZOじゃなきゃダメ」な人のための3つの選択肢
では、どうしてもEIZOの「目に優しい」画面でゲームをしたい、でもFORISは買えない。そんなジレンマに陥ったあなたに、現実的な選択肢を3つ提示します。
選択肢1:潔くFlexScanで妥協する
これは「ゲームをやらないわけじゃないけど、ゲームがメインじゃない」という人向けです。最新のFlexScanシリーズはUSB-C給電(最大94W)に対応しており、ノートPCと1本のケーブルで接続できるモデルも増えています。仕事用としての完成度は極めて高く、たまにゲームをする程度なら十分に使えます。ただし、競技性の高いゲームをやるのは諦めましょう。
選択肢2:ゲーミング専用機とEIZOを用途で使い分ける
予算に余裕があるなら、これが最適解です。FPSや格闘ゲーム用に240Hz対応の他社ゲーミングモニターを1台、作業やRPG用にEIZOを1台という2台体制を組むのです。デュアルモニター環境は作業効率も上がるので、コストはかかりますが、その価値は十分にあります。
選択肢3:思い切って他社のゲーミングモニターに乗り換える
一番シンプルで、かつ多くのゲーマーが取る道です。BenQのZOWIEシリーズやASUSのROGシリーズは、ゲームに特化した機能が豊富で、価格もEIZOよりリーズナブルです。特にBenQ ZOWIE XL2546Kは240Hz表示と独自のDyAcテクノロジーでFPSプレイヤーからの評価が高いモデルです。
実際に買えるEIZOモニターはこれだ!2026年おすすめモデル
今、新品で買えるEIZOモニターの中で、ゲーマーが検討すべきモデルを厳選して紹介します。いずれもFlexScanシリーズですが、用途によって最適なモデルが変わります。
オフィスワーク+たまにゲームならこれ
27インチ4K解像度のフラッグシップモデル。コントラスト比2000:1を実現し、文字のくっきり感は抜群です。USB-C端子からの給電が最大94Wに対応しているので、ノートPCと1本でつながるのも便利。動画編集やデザイン作業がメインで、たまにゲームをするという使い方に最も適しています。2024年発売のモデルで、EIZOの最新技術が詰まっています。
ウルトラワイドで没入感を求めるなら
34.1インチのウルトラワイドモデルで、解像度は3440×1440。シミュレーションゲームやRPGの没入感を高めたい人におすすめです。Webカメラが内蔵されているので、リモートワークとの相性も抜群。直販価格は約16万円台(2024年発表時点)と決して安くはありませんが、仕事とゲームの両立を考えるとコスパは悪くない選択肢です。
コスパ重視でとにかく目に優しいのが欲しいなら
24.1インチのフルHDモデル。一番の魅力は価格の安さで、EIZOの目に優しい機能を最低限のコストで試せる入門機です。応答速度やリフレッシュレートはゲーミング向けではありませんが、予算を抑えつつ「とりあえずEIZOを使ってみたい」というニーズに応えます。
それでもEIZOゲーミングモニターを探すあなたへ
ここまで読んで、まだ「どうしてもFORISが欲しい」という人は、中古市場を探すしかありません。FS2735は当時のゲーミングモニターとしては最高峰のスペックを持っていましたが、2026年現在では明らかに時代遅れです。中古で購入する場合も、保証が効かないことや、故障時の修理対応が難しいことを覚悟しておく必要があります。
EIZO公式のサポートページを見ると、FORISシリーズのサポート情報自体はまだ掲載されていますが、あくまで既存ユーザー向けのものであり、新規購入を促すようなコンテンツではありません。
結論として、2026年8月時点で「EIZOのゲーミングモニターを新品で買う」ことはできません。これは残念な事実ですが、同時にEIZOが「ゲームに特化しない」という選択をした結果でもあります。
でも、それは決して悪いことではありません。EIZOはEIZOで、目の健康や色彩精度、長時間の作業品質という別の価値を提供し続けています。ゲーマーとしての自分と、クリエイターやビジネスパーソンとしての自分、両方の顔を持つあなたなら、EIZOの価値を最大限に活かせるはずです。
ゲームに何を求めるのか。それは「勝ちたい」のか、「楽しみたい」のか、それとも「長く遊び続けたい」のか。その答えによって、あなたにぴったりのモニターは変わってきます。EIZOが得意なのは、後者の「長く遊び続けるための土台作り」です。もしあなたがその価値を理解できるなら、EIZOはきっと良い相棒になってくれるでしょう。





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