メカニカルキーボードを使ってる人なら、一度は考えるんじゃないでしょうか。「これ、水洗いできたらどんなに楽だろう」って。
キーの隙間にたまったホコリ、うっすら浮いた指紋の跡、なんとなくベタつく表面。毎日使うものだからこそ、清潔にしておきたいですよね。でも電子機器である以上、水をかけるのは怖い。その悩み、すごくよくわかります。
実は、やり方さえ間違えなければ、メカニカルキーボードの水洗いは可能なんです。ただし「全部を洗える」わけじゃない。ここを勘違いすると、本当にキーボードが死にます。
この記事では、安全にキーボードをきれいにする方法を、実際の手順と注意点を交えて丁寧に解説していきます。読み終わる頃には「これなら自分でもできそう」と思ってもらえるはずです。
メカニカルキーボードの水洗いが許されるのはキーキャップだけ
まず最初に、これだけは絶対に覚えておいてください。
水で洗っていいのは、取り外した「キーキャップ」だけです。本体は水に触れさせちゃダメ。絶対にです。
なぜかというと、メカニカルキーボードの内部には精密な電子基板が入っています。ここに水が侵入するとショートして、最悪の場合修理不能になります。水没したキーボードが復活することはほとんどありません。「ちょっとくらい大丈夫かな」は通用しない世界です。
じゃあ本体はどう掃除するの?という話は後ほど詳しくお伝えします。
キーキャップを水洗いする前に知っておきたい素材の話
キーキャップの素材には、主にABSとPBTの2種類があります。これ、ただの豆知識じゃなくて、洗い方を左右する重要なポイントです。
ABS素材の特徴
- 最も一般的で、多くのキーボードに採用されている
- 熱に弱く、お湯の温度が高いと簡単に変形する
- 長期間使うと表面がテカテカしてくる(これが気になる人も多い)
PBT素材の特徴
- 高級モデルによく使われる、やや硬質な素材
- ABSより熱に強いが、過信は禁物
- テカリにくく、ザラッとした質感が長持ちする
どちらの素材であっても、洗うときはぬるま湯を使うのが鉄則です。熱湯は論外。せっかく洗ったのにキーキャップが歪んでハマらなくなった、なんて悲劇は避けたいですよね。
キーキャップを安全に水洗いする具体的な手順
それでは実際の手順を見ていきましょう。思ったより簡単なので安心してください。
準備するもの
最初に道具をそろえましょう。どれも家にあるものか、数百円で手に入るものばかりです。
- キーキャッププーラー(これがないと始まらない)
- 中性洗剤(食器用でOK)
- 洗面器やバケツ
- 柔らかい歯ブラシ(なければ使い古しでOK)
- 乾いたタオル
手順1:キーキャップを外す前に写真を撮る
まずキーボード全体をスマホで撮影してください。できれば数枚、真上からがベストです。これが後でめちゃくちゃ役立ちます。自分はキー配置を完璧に覚えてると思っていても、外したあと意外と迷うものです。
手順2:キーキャッププーラーで慎重に外す
キーキャッププーラーをキーの左右に引っ掛けて、真上に引き抜きます。このとき斜めに力を入れると、スイッチ(軸)を傷つけてしまうので注意。パチッという感触があったら無理に引っ張らず、少し角度を変えてみましょう。
手順3:ぬるま湯と中性洗剤でつけ置き洗い
洗面器にぬるま湯を張って、中性洗剤を数滴たらします。キーキャップを入れて軽くかき混ぜたら、30分ほど放置してください。汚れがひどい場合は、6時間くらいつけ置きしても大丈夫です。
つけ置き後は、柔らかい歯ブラシで優しくこすりましょう。特に側面や底面は皮脂がたまりやすいので丁寧に。力を入れすぎると表面に細かい傷がつくことがあるので、あくまで優しくが基本です。
手順4:しっかりすすいで完全に乾かす
洗剤が残らないよう流水でよくすすぎます。すすぎが甘いと洗剤成分が残ってベタベタの原因になるので、ここは念入りに。
すすぎ終わったらタオルの上に広げて乾かします。ポイントは完全に乾燥させること。半乾きのままキーボードに戻すと、水滴が基板に落ちるリスクがあります。急いでいるように見えて、これが一番の近道です。
乾燥時間は数時間から半日が目安。風通しの良い場所に置いておけば、思ったより早く乾きます。ドライヤーは熱で変形する恐れがあるので使わないでください。
キーボード本体の掃除はアルコールを使うのが正解
さて、ここからが本題です。キーキャップを外したあとの本体、どう掃除すればいいのか。
答えは「90%以上の高濃度イソプロピルアルコール」です。水じゃありません。アルコールです。
なぜかというと、高濃度アルコールには次のようなメリットがあるからです。
- 水分が少ないから電子機器に使っても故障しにくい
- 揮発性が高いのですぐに乾く
- 皮脂と汚れをしっかり落とす
- 消毒効果もある(うれしいおまけ)
使い方は簡単で、柔らかい布か綿棒にアルコールを含ませて、キーボードの表面を優しく拭くだけ。スイッチの間の細かい部分は綿棒が大活躍します。無水エタノールでも代用できますが、化粧水などに含まれる低濃度のものは避けてください。水分が多すぎるからです。
ちなみにWD-40を潤滑スプレー代わりに使う人もいますが、キーボードには向きません。プラスチックを侵す成分が含まれているため、最悪スイッチが動かなくなります。
液体をこぼしてしまったときの応急処置
キーボードに飲み物をこぼした!そんな緊急事態のためにも知っておいてほしい手順があります。
焦る気持ちはわかりますが、落ち着いて次の順番で行動しましょう。
- すぐにUSBケーブルを抜く。無線なら電源を切る
- キーボードを裏返して、こぼした液体を床に落とす
- タオルで表面を軽く押さえるように拭く(こすらない)
- そのまま裏返しの状態で、風通しの良い場所に24時間以上放置する
- 完全に乾いてから動作確認する。ただし復活しないケースもある
コーヒーやジュースなど糖分を含む液体は、水よりも復旧率が下がります。ベタつきが内部に残ってスイッチがくっついてしまうからです。どうしても元に戻らない場合は、残念ですが修理か買い替えを検討しましょう。
キーボード清掃にあると便利なアイテム
メカニカルキーボードをきれいに保つために、揃えておくと便利なグッズを紹介します。
- キーキャッププーラー:ワイヤータイプがスイッチを傷つけにくくておすすめ
- 高濃度イソプロピルアルコール(90%以上):ドラッグストアやイソプロピルアルコールで購入可
- エアダスター:隙間のホコリを飛ばすのに重宝する。ただし逆さにして使わないこと
- クリーニングジェル:スライム状でホコリを吸着するタイプ。手軽だけどスイッチ内部に入れないように注意
- 小型掃除機(キーボード用):PC周り専用にひとつあるとかなり捗る
メカニカルキーボードを長く美しく保つための習慣
最後に、せっかくきれいにした状態をキープするための習慣をお伝えします。
週に1回は軽く掃除する
理想は週に1回、エアダスターでホコリを吹き飛ばすだけでも効果があります。溜め込んでから一気に大掃除するより、こまめなケアのほうがずっとラクです。
使わないときはカバーをかける
ホコリは放置しているときに入り込みます。カバーをかけるか、収納ケースに入れる習慣をつけましょう。100均の大きめの布でも十分代用できます。
食べ物や飲み物はキーボードから離れた場所で
わかっちゃいるけどついやってしまうのが、キーボード前での飲食。でも「絶対こぼさない」という自信は、たいていの場合裏切られます。コップを置く位置を変えるだけでもリスクは大きく減らせます。
キーキャップの定期的な水洗いを習慣に
月に1回程度、キーキャップを外して水洗いするのが理想です。2回目からは手順にも慣れて、30分もかからず終わるようになります。清潔なキーボードは打鍵感まで気持ちよく感じるものです。
ここまで読んでくれたあなたは、もうメカニカルキーボードの水洗いについて、人に説明できるレベルになっていると思います。
繰り返しますが、大事なのは「水洗いできるのはキーキャップだけ」という線引きです。この境界線を守れば、あなたの大切なキーボードは長く美しい状態を保てます。
打鍵感が心地いいメカニカルキーボード。せっかくなら清潔に、気持ちよく使い続けていきましょう。

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