飛行機にモバイルバッテリーを預け入れ荷物(スーツケース)に入れてもいいのか――この問いに対する答えは、「絶対にダメ」です。そして2026年4月24日からは、それだけでなく機内への持ち込み個数制限(2個まで)と機内での充電・給電の全面禁止という新たなルールが加わりました。このルールに違反すると航空法違反となり、罰則の対象になる可能性もあります。この記事では、2026年8月時点の最新ルールに基づき、「預ける」以外にも知っておくべき落とし穴と正しい対処法を徹底解説します。
モバイルバッテリーを飛行機に「預ける」のは絶対にNG。その理由と正しい持ち運び方
まず大前提として、モバイルバッテリーは絶対に預け入れ荷物(受託手荷物)に入れてはいけません。これは多くの人が知っていることかもしれませんが、なぜかというとリチウムイオン電池が搭載されているからです。機内の貨物室で何らかの衝撃や故障により発火した場合、消火が非常に困難で大きな事故につながる危険性があるため、国際的な規則で禁止されています。
では、どうすればいいのか。モバイルバッテリーは必ず機内持ち込み(キャビン)にしてください。そして2026年4月24日以降は、機内に持ち込める個数にも制限が設けられました。国土交通省の発表(2026年4月14日)によると、容量に関わらず1人あたり2個までが上限です。従来は「100Wh未満なら個数制限なし」というルールだったため、この点は大きな変更点です。
2026年4月24日施行!知らないと損するモバイルバッテリー新ルール3選
この記事で最もお伝えしたいのが、2026年4月24日から始まった新ルールです。多くのWebサイトではまだ旧ルールの情報が掲載されているため、注意が必要です。JALの公式案内(2026年4月更新)および国土交通省の資料を基に、絶対に押さえておくべき3つの変更点をまとめました。
1. 機内持ち込みは「2個まで」に制限(容量は関係ない!)
これまでは「100Wh未満なら何個でもOK」という状態でしたが、2026年4月24日以降は容量に関係なく2個までになりました。例えば、小さな容量のモバイルバッテリーを3個持っていたとしても、2個しか機内に持ち込めません。3個目は預け入れもできないため、空港で処分するか、誰かに預けるなどの対応が必要になります。
2. 機内での「充電」と「給電」が全面禁止(違反は航空法違反)
これが最も多くの人がうっかりしがちなポイントです。新ルールでは、機内でモバイルバッテリーを充電すること(機内のUSBポートからバッテリーに給電すること)だけでなく、モバイルバッテリーからスマートフォンなどに給電(充電)することも全面禁止されました。
「機内で動画を見ていたらバッテリーが減ってきたからモバイルバッテリーをつなごう」――この行為が2026年4月24日以降は航空法違反になります。JALの公式サイトでも「機内でのモバイルバッテリーのご使用(充電・給電)は禁止」と明記されており、違反した場合は罰則の対象となる可能性があります。
3. 座席の収納棚(オーバーヘッドビン)に置いてはいけない
さらに、持ち込んだモバイルバッテリーの保管場所にもルールができました。座席上の収納棚(オーバーヘッドビン)への収納は禁止され、座席ポケットなど常に手の届く場所に保管することが義務化されました。これは、万が一発熱や発火の兆候が見られた際に即座に対応できるようにするための措置です。
モバイルバッテリーの「容量(Wh)」ってどうやって確認するの?
ここでよく出てくる疑問が「自分の持っているモバイルバッテリーは何Whなのか?」という点です。航空機に持ち込める上限は160Whまでと決められています(100Whを超えるものは航空会社の事前承認が必要な場合があります)。多くの市販品は100Wh未満ですが、念のため確認方法を知っておきましょう。
バッテリー本体に「〇〇Wh」と直接記載されているのが最も簡単です。もし「〇〇mAh」としか書いていない場合は、以下の計算式でWhを算出できます。
Wh = V(電圧)× Ah(アンペア時間)
例えば、3.7V / 10,000mAh(=10Ah)のバッテリーなら、3.7 × 10 = 37Whとなります。計算が苦手な方も、最近の製品は本体にWh表記があるものが多いので、まずはバッテリーのラベルを探してみてください。
【比較表】モバイルバッテリーと間違えやすいアイテムの扱い
「モバイルバッテリーがダメなら、デジカメの予備バッテリーは?」「ヘアアイロンは預けられる?」など、似ているけどルールが異なるアイテムがあります。国土交通省とJALの公式情報を基に比較表にまとめました。
| アイテム | 預け入れ(受託手荷物) | 機内持ち込み | 個数制限(新ルール) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| モバイルバッテリー(他機器充電用) | ❌ 禁止 | ✅ 可(160Wh以下) | 2個まで(容量に関係なく) | 機内での使用・充電・給電は全面禁止(航空法違反) |
| デジタルカメラの予備バッテリー(単体) | ❌ 禁止(単体の場合) | ✅ 可(160Wh以下) | 個数制限なし | ただし100Wh超は要確認。モバイルバッテリーとは別扱い。 |
| ノートPC・スマホ本体(内蔵バッテリー) | ✅ 可(電源OFF必須) | ✅ 可 | 制限なし | 預け入れ時は完全に電源を切る(スリープは不可) |
| コードレスヘアアイロン(電池内蔵) | ❌ 不可(電池取り外し不可の場合) | ❌ 不可 | – | 電池が取り外せる場合は電池のみ機内持ち込み可。 |
| 加熱式弁当(生石灰タイプ) | ❌ 禁止 | ❌ 禁止 | – | 機内持ち込み・預け入れともに全面禁止。 |
この表を見るとわかるように、モバイルバッテリーだけが特別に厳しいルールが適用されているわけではなく、リチウムイオン電池を含む機器全般にルールがあります。ただ、モバイルバッテリーは「充電専用機器」として区別され、新たに個数制限や使用禁止が強化されました。
うっかりモバイルバッテリーを預けてしまったら?空港での対処法
もし空港で「あっ、スーツケースにモバイルバッテリー入れたままだった…!」と気づいた場合、どうすればいいでしょうか。
まず、保安検査場を通る前であれば、航空会社のチェックインカウンターに申し出て、スーツケースからモバイルバッテリーを取り出してください。係員が立ち会いのもとで荷物を開けることが可能です。
問題は保安検査場を通った後や、手荷物を預けてしまった後に気づいた場合です。この場合は、基本的にモバイルバッテリーを没収されるか、または航空会社の判断で「危険物として申告があったため、預け入れ荷物を引き上げてバッテリーを除去する」という対応が取られます。その場合、フライトに間に合わなくなるリスクも伴います。
SNS上の口コミを集計したところ(2026年8月時点)、「新ルールを知らずに2個以上のモバイルバッテリーを持っていき、空港で没収された」という声や、「スーツケースにモバイルバッテリーを入れて預けたら、保安検査で呼び出されてスーツケースを開けさせられた」という体験談が複数確認されています。「まさか自分が」ではなく、かなり多くの人がうっかりやっているのが実情です。絶対に預けないという意識を持つと同時に、個数制限も頭に入れておきましょう。
海外の航空会社はさらに厳しい?世界の動向
この流れは日本だけの話ではありません。2026年1月に発生した韓国・エアプサン機の火災事故を受け、世界的にモバイルバッテリーの機内持ち込みルールが見直されています。CNNの報道(2026年)によると、韓国、タイ、シンガポール、台湾の航空会社も同様に機内でのバッテリー使用・充電を禁止する方向に舵を切りました。
特に韓国の航空会社は対応が早く、一部の航空会社では機内でのモバイルバッテリー使用そのものを厳しく取り締まっています。国際線を利用する際は、日本のルールだけでなく渡航先の航空会社のルールも事前に確認することを強くおすすめします。ICAO(国際民間航空機関)もこの流れを受けて国際基準の緊急改訂を行っており、今後さらに規制が強化される可能性があります。
【要注意】2027年1月以降は「100Wh」制限になる可能性
もう一つ、中長期的に見ておくべきポイントがあります。JALの公式サイトでは、IATA(国際航空運送協会)の規定変更により、2027年1月以降は100Whを超えるモバイルバッテリーの機内持ち込みが制限される可能性に言及しています。現時点では「160Whまで可」ですが、来年には基準が引き下げられるかもしれません。大きな容量のモバイルバッテリーをお持ちの方は、今後の動向にも注目しておいてください。
飛行機にモバイルバッテリーを持っていく前にやるべき3つのチェック
最後に、飛行機にモバイルバッテリーを持っていく際の「持ち運び前チェックリスト」をまとめました。
- 預け入れ荷物に入れていないか確認する(絶対に機内持ち込みへ)
- 個数は2個以下か確認する(予備も含めてカウント)
- バッテリー自体の端子部にテープを貼るなどしてショート防止対策をする(エレコムなどのメーカーも推奨)
特に3つ目のショート防止対策は、メーカーの公式サイトでも推奨されている安全対策です。金属製のもの(鍵やコインなど)と一緒にバッグに入れると、端子が接触して発火するリスクがあります。専用のポーチに入れるか、端子に絶縁テープを貼っておくと安心です。
【おすすめ】機内持ち込みにぴったりなモバイルバッテリー
ここで、2026年8月時点で新ルールに対応しつつ、機内持ち込みに適したモバイルバッテリーを紹介します。いずれも100Wh未満で、2個までという制限に収まる製品です。
Anker Power Bank 10000mAh
コンパクトながら十分な容量を備え、本体にWh表記があるため空港の保安検査でもスムーズです。端子保護キャップ付きでショート防止にも配慮されています。
ELECOM モバイルバッテリー 10000mAh
国内メーカーならではの安全認証を多数取得。公式サイトで飛行機持ち込み対応が明記されており、初心者の方にも安心です。
CIO モバイルバッテリー 薄型 5000mAh
超薄型で軽量。2個までという制限の中で、予備としてもう1個持ち歩くにもかさばりません。デザイン性も高く、出張時のビジネスシーンにもなじみます。
これらの製品は、いずれも容量表示が明確で、かつ公式に飛行機持ち込み対応が確認できるものを選びました。購入する際は、容量(Wh)とサイズ感を自分の旅のスタイルに合わせて検討してみてください。
モバイルバッテリーの飛行機への持ち込みルールは、2026年4月24日を境に大きく変わりました。預け入れ禁止はもちろんのこと、機内持ち込みは2個まで、そして機内での使用・充電は全面禁止です。この新しいルールを知らずに空港に行くと、せっかくの旅行や出張が台無しになる可能性もあります。この記事で紹介したチェックポイントを押さえて、安全でスムーズな空の旅を楽しんでください。





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