iPhoneでLE Audioは使える?対応状況とメリット、現在の利用方法を解説

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LE Audioって何?従来のBluetoothと何が違うの?

ワイヤレスイヤホンやスピーカーを使うときに、耳にしている「Bluetooth」という言葉。実はこのBluetooth、新しい規格「LE Audio(エルイーオーディオ)」に進化しています。

LE Audioは、Bluetoothの標準化団体であるBluetooth SIGが2020年に発表した次世代のオーディオ規格です。従来のBluetoothオーディオ(Classic Audio)と比べて、大きく分けて3つの進化ポイントがあります。

1つ目は、新しいオーディオコーデック「LC3」の採用です。従来のSBCコーデックと比べて、同じビットレートでより高い音質を実現したり、同じ音質ならデータ量を抑えられたりするのが特徴です。

2つ目は、消費電力の大幅な削減。LE Audioはその名の通り「Low Energy(低消費電力)」を追求して設計されているため、イヤホンのバッテリー持ちが良くなる可能性があります。

3つ目は、マルチストリームオーディオやAuracast(オーラキャスト)といった新機能です。複数のデバイスで音声を共有したり、公共施設で音声ガイドを受信したりといった使い方も将来見込まれています。

特にゲーマーや動画視聴をよくする人にとって気になるのが、低遅延のメリット。従来のBluetoothでは100〜200ミリ秒程度の遅延が生じることがありましたが、LE Audioでは30〜50ミリ秒程度まで短縮されると言われています。

ここまで聞くと「ぜひ使いたい!」と思うかもしれませんが、ここで1つ大きな壁があります。それは、iPhoneの対応状況です。

iPhoneはLE Audioに対応しているの?現状を整理

ここがこの記事で最もお伝えしたいポイントです。

結論から言うと、現時点(2026年6月時点)でiPhoneはLE Audioにシステムレベルで対応していません

残念ながら、Appleは公式サイトや製品仕様ページで「iPhoneがLE Audioをサポートしている」とは一切発表していません。また、iOSの設定画面にLE AudioやLC3コーデックを切り替えるようなメニューも存在しません。

ハードウェアは対応しているのに、使えないもどかしさ

ここで混乱しやすいのが、ハードウェアとソフトウェアの違いです。

iPhone 14以降のモデルはBluetooth 5.3に対応しています。Bluetooth 5.2以降の仕様はLE Audioをサポートしているため、ハードウェア的にはLE Audioが使える可能性を持っています

たとえば、Apple iPhoneの公式スペックには「Bluetooth 5.3」と記載されています。これは技術的にはLE Audioに対応できるチップを搭載していることを意味します。

しかし、実際にLE Audioを使うためにはオペレーティングシステム(iOS)自体が対応している必要があります。現状のiOSはLE Audioを正式にサポートしておらず、設定画面でLC3コーデックを選ぶこともできません。

つまり、iPhoneのハードウェアは「可能性がある」けれど、「実際には使えない」というのが正しい現状認識です。

メーカーも認める「iPhone非対応」という事実

この「iPhoneではLE Audioが使えない」という現状は、周辺機器メーカーも公式に認めている事実です。

たとえば、ソニーのゲーミングイヤホンSony INZONE BudsはLE Audioに対応している製品ですが、ソニー香港の公式サイトでは「iPhone/iPadとの互換性はない」と明記されています。

また、ソニーのフラッグシップモデルSony WF-1000XM6もLE Audio対応製品ですが、複数の情報源で「iOS 18時点でiPhoneはLE Audio非対応」との記載が確認されています。これらの製品をiPhoneで使う場合は、LE Audioモードではなく従来のAACコーデックでの接続になります。

つまり、LE Audio対応と書かれているイヤホンを購入しても、iPhoneではその機能を活かせないというのが現実です。

なぜAppleはLE Audioに対応しないのか?

ここから先は確かな公式情報ではなく、専門メディアの見解や業界の観測になります。

AppleがLE Audioのサポートに慎重な理由としては、自社のAACコーデックに最適化しているという点が挙げられます。Apple MusicやAirPodsとの連携で培ってきたAACの最適化があり、わざわざ標準規格のLC3に切り替える必要性を感じていない、という見方があります。

また、AirPods Pro 2などの製品はLE Audio対応のハードウェアを搭載していると言われていますが、Appleがファームウェアアップデートで機能を有効にするかどうかは現時点では不明です。AirPodsシリーズはすでにApple独自のオーディオ共有機能を持っているため、LE Audioの機能のひとつであるAuracastをサポートするかどうかも不透明です。

今のところ、Appleが近いうちにLE Audioをサポートするという公式発表は一切ありません。

LE Audio対応イヤホンをiPhoneで使うとどうなるの?

気になるのは、「LE Audio対応のイヤホンを買ったけど、iPhoneで使ったらどうなるの?」という点です。

基本的には、通常のBluetoothイヤホンとして使えます。LE Audio対応製品は多くの場合、従来のBluetoothコーデック(AACやSBC)にも対応しているため、iPhoneとペアリングして音楽を聴くことは問題なくできます。

ただし、LE Audioならではのメリットは一切受けられません

  • LC3コーデックによる高音質は使えない(AACまたはSBCでの接続になる)
  • 低遅延(30〜50ms)の恩恵は受けられない(従来の遅延に戻る)
  • 低消費電力によるバッテリー向上も期待できない
  • Auracastのような新機能も使えない

つまり、せっかくLE Audio対応のイヤホンを買っても、iPhoneでは「ただの良いBluetoothイヤホン」としてしか使えないというのが実情です。

それでもLE Audioに興味がある人へ:今できること・検討すべきこと

ここまでの内容を整理すると、現時点でiPhoneユーザーがLE Audioをフルに活用するのは事実上不可能です。

では、LE Audioに興味がある人はどうすればいいのでしょうか。いくつかの選択肢を考えてみましょう。

選択肢1:現状のAACで十分と割り切る

まず1つ目の選択肢は、今のままで特に問題ないと割り切ることです。

AppleのAACコーデックは非常に最適化が進んでおり、多くのユーザーにとって十分な音質と安定性を提供しています。実際にAirPodsシリーズとiPhoneの組み合わせは、業界でもトップクラスのワイヤレスオーディオ体験として評価されています。

LE Audioの低遅延が気になる方は、ゲームや動画視聴の際に遅延がどれほど気になるか、実際に使っていて不便を感じているかどうかをまず確認してみてください。多くの人は、現状の遅延でも特に問題を感じていないかもしれません。

選択肢2:LE Audioを体験するためにAndroid端末を検討する

どうしてもLE Audioの低遅延やLC3コーデックを体験したいという場合は、Androidスマートフォンへの買い替えを検討するという選択肢があります。

Android 13以降を搭載した多くのスマートフォンはLE Audioに対応しています。特にゲーミング用途でLE Audioのメリットを活かしたい方は、Android端末とLE Audio対応イヤホンの組み合わせが現実的な解になります。

ただし、これはあくまで「LE Audioを最優先するなら」という選択肢であり、Appleエコシステムからの乗り換えには大きなコストが伴うことも考慮する必要があります。

選択肢3:今は様子を見る

Appleが今後、iOSのアップデートでLE Audioをサポートする可能性はゼロではありません。

2026年現在、AppleがLE Audio対応を正式にアナウンスしたという情報はありませんが、将来のiOSバージョンで対応する可能性は否定できません。特に補聴器との連携や公共施設での音声サービスが普及していく中で、Appleが対応に動く可能性は考えられます。

ただし、これはあくまで「可能性」であり、現時点で確約されたものではありません。LE Audio対応イヤホンを購入して「将来のアップデートに期待する」というのはリスクがある判断と言えるでしょう。

選択肢4:iPhoneで使えるコーデックを確認する

もし自分が使っているイヤホンがiPhoneでどのコーデックで接続されているのか気になる場合は、各メーカーが提供する純正アプリで確認する方法があります。たとえばソニーの製品なら「Sony | Sound Connect」アプリで接続コーデックが確認できます。

ただし、iOSにはLE AudioやLC3を選択・有効化する設定は存在しないという点は覚えておいてください。

LE Audio対応イヤホン購入時の注意点

最後に、これからワイヤレスイヤホンを購入しようと考えているiPhoneユーザーに向けて、注意点をまとめておきます。

「LE Audio対応」の文字に惑わされない

製品パッケージに「LE Audio対応」と書いてあっても、iPhoneで使う場合はその機能は活かせません。購入前に「この製品はiPhoneでLE Audioモードが使えるのか」を必ず確認してください。

多くの製品はiPhoneとの接続時にAACコーデックで動作します。それはそれで高品質なのですが、LE Audio目的で購入すると期待を裏切られることになります。

メーカーの公式情報を確認する

購入を検討する際は、必ずメーカーの公式サイトで対応デバイスを確認しましょう。製品によってはiPhoneと完全に互換性がないものもあります。

先述の通り、Sony INZONE Budsは公式で「iPhone/iPadとは互換性がない」と明記されています。このように、LE Audioに対応していてもiPhoneでは使えない、あるいは通常のBluetoothイヤホンとしても動作しない製品があることを認識しておく必要があります。

LE Audio対応Android端末をお持ちの場合

もしAndroidスマートフォンも併用している場合は話が別です。LE Audio対応イヤホンを購入すれば、Android端末ではLE Audioのメリットを存分に活かせます

ゲームをするときにAndroid端末とLE Audio対応イヤホンを組み合わせれば、低遅延で快適にプレイできるでしょう。音楽鑑賞でもLC3コーデックによる高音質を楽しめます。

まとめ:iPhoneとLE Audioの関係、今できること

ここまでLE Audioの概要から、iPhoneでの対応状況、そして具体的な選択肢まで解説してきました。

改めて現状を整理すると

  1. iPhoneは現時点でLE Audioに正式対応していない
  2. ハードウェア(Bluetooth 5.3搭載モデル)は対応可能だが、iOSが未対応のため使えない
  3. LE Audio対応イヤホンを買っても、iPhoneでは通常のBluetooth接続(AACなど)になる
  4. Appleからの公式発表は一切なく、将来の対応も不透明
  5. メーカー(ソニーなど)も公式に「iPhone非対応」を明言している製品がある

iPhoneユーザーが今すぐLE Audioを楽しむ方法は残念ながらありません。しかし、現状のAACコーデックでも十分なワイヤレスオーディオ体験ができることも事実です。

もしLE Audioの低遅延やLC3コーデックにどうしてもこだわりたいなら、Android端末への買い替えを検討するか、今しばらくAppleの動向を静観するのが現実的な選択肢と言えるでしょう。

ワイヤレスイヤホン購入時の最終チェックポイント

  • 購入前に「iPhoneでLE Audioが使えるか」を公式情報で確認する
  • LE Audio対応と書かれていても、iPhoneではその機能が使えないケースが多い
  • 製品がiPhoneと通常のBluetooth接続(AAC)で動作するかも確認する
  • どうしてもLE Audioを優先するなら、Android端末との組み合わせを検討する

新しい技術に触れるのは楽しいことです。でも、自分が使っているデバイスで本当にその技術を活かせるのかを見極めることが、後悔しない選択の第一歩になります。

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