「モバイルバッテリーが膨らんできた」「発火事故のニュースを見て不安になった」——そう感じている方は少なくありません。結論から言うと、2026年7月時点で、アンカー・ジャパンや小米技術日本など主要メーカーによるリコールが相次いでおり、製品を所有しているかどうかは型番と購入時期でひと目で確認できます。 この記事では、最新のリコール対象製品の具体的な見分け方、各メーカーの受付窓口の違い、そして「もし対象だったらどうすればいいか」を実務レベルで解説していきます。NITE(製品評価技術基盤機構)が2026年7月14日に発表した最新データによると、リチウムイオン電池関連の事故は6月から8月に集中する傾向があり、まさに今が最も注意が必要な時期です。
では、まずは直近の動向と、そもそもなぜ発火リスクが起きるのかを整理しましょう。
モバイルバッテリー発火リスクの最新動向:2026年7月時点の注意点
2026年に入ってからも、モバイルバッテリーの発火・発煙事故に関するリコール発表は止まっていません。特に大きな動きとして、アンカー・ジャパンが2025年10月21日に発表した大規模リコール(約52万2000台)が依然として対応期間中であり、2026年7月現在でも新たな火災事故が報告されています。このリコールでは経済産業省が行政指導を実施する事態にまで発展しており、それだけ多くのユーザーが影響を受けていることがわかります。
なぜモバイルバッテリーは発火するのか? その多くは内部のリチウムイオン電池の不具合に起因します。製造過程での異物混入や、過充電を防ぐ保護回路の異常、さらには落下や衝撃による内部短絡などが原因で、急激な発熱・発火に至ることがNITEの調査で明らかになっています。NITEのデータベースによれば、2020年から2024年までの間に国内で報告されたリチウムイオン電池搭載製品の事故は1860件に上り、その約85%が火災事故だったという事実があります。この数字は決して他人事ではありません。
2026年夏のリコール対象製品:最新一覧と見分け方
ここからは、現在も対応が続いている主要なリコール対象製品を一覧で確認していきましょう。あなたが使っているモバイルバッテリーが該当するかどうか、型番を照らし合わせてみてください。
アンカー・ジャパン(Anker)のリコール対象製品
アンカー・ジャパンは2025年から2026年にかけて、複数のリコールを発表しています。対象となる主な製品は以下の通りです。
- Anker 535 Power Bank(型番:A1366):2022年11月17日以降に購入された製品が全数対象。返金対応(一律9,990円)となります。購入時期の確認が重要なポイントです。
- Anker PowerCore 10000(型番:A1263):2022年12月25日〜2025年10月21日までの購入品が対象。交換対応(上位モデルまたは新品)となります。シリアルナンバーの入力が必須です。
- Anker Power Bank(型番:A1647):2025年6月26日までの購入品が全数対象。交換または返金を選択できます。シリアルナンバーは不要という珍しいケースです。
- Anker 334 MagGo Battery(型番:A1642):対象期間や対応内容はA1647と同様です。
- Anker MagGo Power Bank(型番:A1652):同じく2025年6月発表のリコールに含まれます。
特に注意してほしいのが、Anker A1366の問い合わせ窓口です。 消費者庁などの公的サイトに古い電話番号が掲載されているケースがありますが、現行の正しい受付電話番号は0120-253-004です。間違った番号にかけても手続きは進みませんので、必ずアンカー・ジャパン公式のリコール専用ページを確認するようにしてください。
その他のメーカーのリコール対象製品
- 小米技術日本(Xiaomi):Xiaomi 33W Power Bank 20000mAhが対象。2025年9月2日に発表されました。Integrated Cableタイプ(ケーブル一体型)が該当するので、持ち運びに便利な一体型を使っている方は特に要チェックです。
- CIO:SMARTCOBY Ex01 SLIM Qi2 & CABLEが2025年1月にリコール発表。発熱・発火リスクが確認されています。
- ベルキン(Belkin):BoostCharge Pro(Apple Watch用ワイヤレス充電機能付き)が2024年10月に対象となりました。
これらの情報はいずれも消費者庁の事故情報データバンクや各メーカーの公式発表に基づく確定事実です。ただし、各メーカーの対応窓口や返金条件は随時更新される可能性があるため、手続きの際は必ずメーカー公式サイトで最新情報を確認する習慣をつけましょう。
メーカー別・リコール受付窓口と対応内容を比較
いざ自分が使っている製品が対象だとわかっても、「どこに連絡すればいいの?」「返金と交換、どっちがお得?」という疑問が出てくるはずです。そこで、主要ブランドの受付窓口と対応条件を比較表にまとめました。単なる製品一覧ではなく、「実際にどう動くか」という実務目線で見てください。
| ブランド(販売元) | 対象製品例(型番) | 受付窓口(電話番号/Webフォーム) | 対応内容(返金 or 交換) | 判定条件の特徴(要チェックポイント) |
|---|---|---|---|---|
| アンカー・ジャパン | Anker 535 Power Bank (A1366) | 電話:0120-253-004 Web:専用フォーム | 返金(一律9,990円) | 購入時期が2022年11月17日以降であること。型番の類似品に注意。 |
| アンカー・ジャパン | Anker PowerCore 10000 (A1263) 他3製品 | Web:2025年10月発表分専用フォーム | 交換(上位モデルまたは新品) | シリアルナンバー必須。購入期間が2022年12月25日〜2025年10月21日。 |
| アンカー・ジャパン | Anker Power Bank (A1647) 他 | Web:2025年6月発表分専用フォーム | 交換 or 返金(選択可) | シリアル不要。2025年6月26日までの購入品が全数対象。 |
| 小米技術日本 | Xiaomi 33W Power Bank 20000mAh | 消費者庁リコールサイト参照 / メーカーHP | 交換または返金(要確認) | 2025年9月2日発表。Integrated Cableタイプが対象。 |
| CIO | SMARTCOBY Ex01 SLIM Qi2 & CABLE | メーカーサポート窓口 | 交換(要確認) | 2025年1月発表。発熱・発火リスク。 |
| ベルキン | BoostCharge Pro (Apple Watch用) | メーカーサポート窓口 | 交換(要確認) | 2024年10月発表。ワイヤレス充電機能付き。 |
この表を見てわかるのは、同じアンカー・ジャパンでも製品によって対応が大きく異なるという点です。A1366は返金のみ、A1263は交換のみ、A1647は選択可——とバラバラなので、「Ankerだから」とひとくくりにせず、自分の製品の型番をまず確認することが第一歩です。
モバイルバッテリー発火リスクを防ぐ廃棄方法とPSE新基準の実務知識
リコール対象と判定されたモバイルバッテリーは、絶対に通常のゴミとして捨ててはいけません。 発火リスクを抱えたまま一般廃棄物として出せば、収集車内や処理施設での火災原因になります。では、どうすればいいのでしょうか。
リコール対応の場合は、基本的にメーカーが送付する返送用キットを使ってメーカー側に送り返すのが原則です。アンカー・ジャパンの場合、リコール受付フォームで手続きを進めると、梱包材と送り状が自宅に届く仕組みになっています。メーカー側で適切に廃棄・リサイクルしてくれるので、自分で処分方法を調べる必要はありません。
ただし、対象外だけど「なんとなく不安」「もう古いから廃棄したい」という場合は、各自治体のルールに従う必要があります。多くの自治体では「不燃ごみ」や「資源ごみ」として分別されますが、中にはリサイクルボックス(家電量販店や自治体の回収ボックス)への持ち込みを推奨しているケースもあります。お住まいの地域のホームページで「モバイルバッテリー 廃棄」を検索し、最新のルールを確認してください。
もう一つ、知っておいてほしいのがPSE法の新基準です。 2024年12月にPSE法(電気用品安全法)が完全移行し、モバイルバッテリーはすべて菱形PSEマークの表示が義務化されました。経済産業省の公式FAQによると、主たる機能が「給電」である製品が対象となり、従来の丸PSEマーク(一部例外あり)から移行しています。つまり、2024年12月以降に製造・輸入された製品は菱形PSEマークが付いていないと違法ということです。もし「マークがない」「丸PSEのまま」の製品を新品で見かけたら、それは流通経路が適正でない可能性が高いので、購入を避けたほうが無難です。
「対象外でも不安…」ユーザーのリアルな声と対策
SNSやQ&Aサイトを調べてみると、リコール対象外の製品に対する不安の声が非常に多く見られます。特に「型番が似ているけど対象外って表示された」「対象期間がズレているだけで自分の製品は大丈夫なの?」という疑問が多数寄せられていました。
また、リコール手続きに関するネガティブな声としては、「シリアルナンバーの入力が面倒」「サイトが混雑していて進まない」「電話がつながらない」といった実務上のストレスが多く報告されています。特にAnker A1366のリコール初期は電話窓口がパンク状態だったようですが、現在はWebフォームがメインルートとして整備されています。電話よりもWebフォームからの申請のほうがスムーズだという体験談が複数確認できているので、時間に余裕がない方はWeb申請を選ぶとよいでしょう。
ポジティブな声としては、大手メーカーの対応の速さを評価する意見が目立ちました。特にAnkerは交換品として上位モデルを送ってくれたケースが多数報告されており、「結果的にアップグレードできた」という好意的な口コミも見られます。
もし発火・発煙が起きたら?NITEが推奨する緊急対処法
万が一、モバイルバッテリーから煙が出たり、発熱や異臭を感じたりした場合、NITE(製品評価技術基盤機構)は以下の緊急対処を推奨しています。
- すぐに電源を切る(可能であれば)。
- 水をかける——リチウムイオン電池の火災には水が有効です(油火災ではないため)。バケツや水道水でしっかりと冷却してください。
- 周囲の可燃物を遠ざける。
- 決して素手で触らず、火傷に注意する。
- 落ち着いてから消防(119番)に通報する。
NITEのデータによると、リチウムイオン電池事故の多くは充電中に発生しています。就寝中の充電や、出かける前の充電はリスクが高まるため、可能な限り目の届く範囲で充電する習慣をつけてください。
これからモバイルバッテリーを買うなら:安全な製品の選び方とおすすめモデル
最後に、これから新しいモバイルバッテリーを購入しようと考えている方向けに、安全な製品の選び方をまとめておきます。
まず大前提として、菱形PSEマークが付いていることを必ず確認してください。これは法令遵守の最低条件です。次に、以下のポイントをチェックしましょう。
- 信頼できるメーカーかどうか:Anker、CIO、Xiaomiなど、今回のリコールに真摯に対応しているブランドは、むしろ安全対策に積極的だと言えます。リコール歴があるから「危ない」ではなく、迅速にリコールを実施した実績は逆に信頼材料になります。
- 容量と出力のバランス:大容量(20000mAh以上)は便利ですが、その分リスクも高まります。自分が必要な容量を冷静に見極めましょう。
- 保護機能の有無:過充電防止、過放電防止、短絡保護、温度検知機能などが搭載されているかを仕様書で確認しましょう。
これらの条件を満たす製品として、以下のモデルが2026年7月時点で安定した評価を得ています。
- Anker Power Bank 20000mAh:大容量ながらコンパクトで、複数の保護回路を搭載。リコール対象外の最新モデルを選べば、長期間安心して使えます。
- CIO SMARTCOBY 10000mAh:薄型軽量で持ち運びやすく、PSE新基準に完全対応。発熱制御に定評があります。
- Xiaomi 10000mAh Power Bank:コスパに優れ、シンプルなデザインながら必要な保護機能はしっかり備えています。
- Anker 511 Power Bank 5000mAh:小型・軽量でサブバッテリーとして最適。緊急用に一つ持っておくと安心です。
いずれの製品も、購入前に公式サイトでPSEマークやリコール情報を再確認する習慣をつけることをおすすめします。
モバイルバッテリー発火・リコールは「他人事」ではない:今すぐ確認すべき3つのアクション
モバイルバッテリーの発火リスクとリコール問題は、決して遠い世界の話ではありません。NITEの1860件という事故データが示す通り、私たちの身近で実際に起きている現実です。
最後に、今すぐ実行してほしい3つのアクションをまとめます。
- 手元のモバイルバッテリーの型番を確認する:本体裏面やパッケージに記載されている型番(A1366やA1263など)を探し、この記事の一覧や各メーカーのリコールサイトと照合してください。
- 該当する場合はすぐに申請する:リコール対応は期間が設けられている場合があります。特にAnker A1366は購入時期が条件になっているため、「後でいいや」と先延ばしにせず、今日のうちにWebフォームから申請しましょう。
- 対象外でも安全な使い方を徹底する:直射日光の当たる場所や車内に放置しない、就寝中の充電を避ける、膨張や変形を感じたら使用を中止する——これら基本的なルールを再確認してください。
モバイルバッテリーは便利な反面、正しく扱わなければ大きなリスクを伴う機器です。この記事が、あなたの安全なモバイルライフの一助になれば幸いです。もし不安な点があれば、各メーカーの公式サポートやNITEの相談窓口に気軽に問い合わせてみてください。





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