キーボードにこだわり始めると、誰もが一度はぶつかる壁。それが「スイッチ選び」です。
メカニカルキーボードの沼に足を踏み入れると、あまりのスイッチの種類の多さに眩暈がしそうになりますよね。赤軸、青軸、茶軸、銀軸、静音赤軸……。名前だけ見ても、正直よくわからない。
「できれば失敗したくない。でも、家電量販店には数種類しか置いてないし……」
そんな悩みを一気に解決してくれるのが、今回ご紹介する72種類ものメカニカルスイッチを一度に試せるテスターです。
72キーメカニカルスイッチテスターとは?
まずは率直に言います。この製品、ただの「お試しツール」だと思ったら大間違いです。
上海問屋 72キー メカニカルスイッチテスターは、アクリル製のテスト台にCherry MX、Gateron、Kailh、ZealPCなど、名だたるスイッチメーカーのキーがずらりと72個も並んだ製品。縦163mm×横182mm×厚さ9mm、重さ約353gというコンパクトなボディに、メカニカルキーボードの世界がぎゅっと詰まっています。
キートップには軸の種類がプリントされていて、押すたびに「なるほど、これがGateron Yellowか」と一つひとつ確かめられる。まるでスイッチの図鑑です。
価格は税抜7,200円。安くはありませんが、相性の合わないスイッチのキーボードを買って後悔することを考えれば、納得の投資だと感じます。
なぜ72種類ものスイッチを試す必要があるのか
「そんなに種類、必要?」と思うかもしれません。でも、スイッチの世界は本当に奥深いんです。
まず、打鍵感の大分類だけでも3つあります。
- リニア:引っかかりがなく、スッと底まで沈む。ゲーマーに人気
- タクタイル:途中でコクッとした感触がある。タイピング好きに根強い支持
- クリッキー:カチカチと音が鳴り、押した実感が強い。打鍵感重視派の憧れ
この3つのどれを選ぶかだけでも悩ましいのに、さらに押下圧(重さ)のバリエーションや、静音リングの有無、工場潤滑のクオリティまで考え出すと、もうわけがわからなくなります。
72種類を一気に触れるということは、「自分はタクタイル派だと思ってたけど、軽めのリニアが案外しっくりくるな」という発見が必ずあるということ。思い込みを壊してくれる体験なんです。
実際に使ってわかった、テスターの真価と楽しみ方
私がこのテスターを手にして最初にやったことは、目を閉じてひたすらキーを押すことでした。
頭でっかちに「赤軸はゲーム向き」なんて知識を一旦忘れて、指先の感覚だけに集中する。これをやると、不思議と好みがはっきり浮かび上がってきます。
たとえば私は「ほどよい重さのタクタイルが好き」と思い込んでいたのですが、実際に押し比べてみると、Kailhの軽めリニアスイッチに妙に落ち着く自分がいました。逆に、クリッキー軸の爽快感に目覚める人もいるでしょう。
このテスターの面白いところは、コレクターズアイテムとしての魅力も兼ね備えている点です。72個のスイッチが整然と並ぶ様子はちょっとした圧巻で、デスクに置いておくだけでも楽しい。友人が来たときに「これ、全部押し比べられるんだよ」と言うと、かなりの確率で興味を持ってくれます。
スイッチ比較で絶対にチェックすべき3つのポイント
テスターを手に入れたら、闇雲に押すだけではもったいない。以下の3つを意識すると、軸選びの解像度が一気に上がります。
- 押下圧の違いを体感する:同じリニア軸でも、軽いものはスイスイ、重いものはずっしり。指の疲れやすさに直結する部分なので、10分くらい集中して打ち比べてみてください
- 底打ち音とチャタリング音を聞き分ける:キーを底まで押し込んだときの音と、途中の動作音は別物です。オフィスで使うなら静かさは命。自宅なら気にせず好みの音を追求できます
- 軸のブレをチェックする:キーをそっと横に揺らしてみると、軸の安定感がわかります。グラつきが大きいと、長時間のタイピングで思わぬストレスになることも
このテスターがあれば、購入前にこれらのポイントを全部クリアできる。これって実はすごいことです。
テスター体験の先にある、キーボードカスタマイズの世界
72種類を押し比べて、ついに「これだ!」というスイッチに出会えたら。その先には、もっと楽しい世界が待っています。
それがホットスワップ対応キーボードを使ったスイッチ交換です。
ホットスワップ対応のキーボードなら、ハンダ付けなしでスイッチを自由に差し替えられます。Keychron K2やGlorious GMMKのようなモデルが代表的で、テスターで見つけたお気に入りスイッチを購入して、自分だけの打鍵感を作り上げていける。
ただ、ここで正直にお伝えしたいことがあります。スイッチ交換は初心者でもできる作業ですが、キーによってはかなり硬くて外すのに力がいるということ。専用のキープラーを使っても、最初は「本当にこれで外れるのか?」と不安になるくらい硬いスイッチもあります。コツを掴めばスムーズになりますが、最初の数個は苦労するかもしれない、というのは正直に書いておきますね。
それでも、一度自分好みにカスタマイズしたキーボードの打鍵感は格別です。テスターでの72種類体験が、この沼への最初の一歩になるわけです。
テスター導入でスイッチ選びの失敗は激減する
結局のところ、スイッチ選びに絶対的な正解はありません。人の手の大きさ、打鍵の癖、求めるフィードバック、使用環境。すべてが人によって違うからです。
だからこそ、72キー搭載のスイッチテスターという存在が光ります。カタログスペックやレビュー記事の文字情報だけでは絶対に伝わらない「指先の納得感」を、自分の手で確かめられる。
メカニカルキーボードの購入を検討している人はもちろん、すでに何台か持っている人にも、このテスターは新しい発見をくれるはずです。自分は青軸派だと思っていたのに、実は静音赤軸のしっとりした打鍵感が心地よかった、なんてことも十分ありえますから。
さあ、まずは72種類の感触をこの手で確かめてみませんか。あなたの指が本当に喜ぶスイッチは、きっとその中にあります。

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