iPhoneでFLACファイルを再生したい——そんなふうに思ったことはありませんか?
「iPhoneってFLACに対応してるの?」「アプリを入れないとダメ?」「できればお金をかけたくない……」という悩みは、音楽好きなら誰しも一度は抱くものです。
この記事では、iPhoneでFLACを再生する方法を、標準機能からおすすめアプリまでまとめて解説します。自分の使い方に合った方法が見つかれば、せっかくの高音質ファイルももっと気軽に楽しめるはずです。
iPhoneはFLACに対応しているのか
まず結論から言うと、iPhoneはFLAC形式の再生に“対応しています”。
ただし、その方法にはちょっとしたコツがあります。ここでは、iPhoneのFLAC対応状況を整理しながら、どうやって再生すればいいのかを見ていきましょう。
iOS 11からFLAC再生が可能になった
AppleがiPhoneでFLACの再生を公式にサポートし始めたのは、2017年にリリースされたiOS 11からです。それまでは「iPhoneはFLACに非対応」というのが定説でしたが、iOS 11の登場で状況が変わりました。
現在の最新iOSでもFLACの再生は可能で、対応機種であれば標準の「ファイル」アプリを使ってFLACファイルを開くことができます。
ただし、AppleはFLACよりもALAC(Apple Lossless Audio Codec)という独自のロスレス形式を推奨しています。そのため、FLACは再生できるものの、Apple純正の「ミュージック」アプリには統合されず、やや限定的な使い方になるのが実情です。
FLAC再生に対応しているiPhoneモデル
FLAC再生に対応しているのは、iPhone 7以降のモデルとされています。具体的には以下の機種が対象です。
- iPhone 7 / 7 Plus
- iPhone 8 / 8 Plus
- iPhone X
- iPhone XS / XS Max / XR
- iPhone 11 / 11 Pro / 11 Pro Max
- iPhone 12 / 12 mini / 12 Pro / 12 Pro Max
- iPhone 13 / 13 mini / 13 Pro / 13 Pro Max
- iPhone 14 / 14 Plus / 14 Pro / 14 Pro Max
- iPhone 15 / 15 Plus / 15 Pro / 15 Pro Max
- iPhone 16 / 16 Plus / 16 Pro / 16 Pro Max
- iPhone SE(第2世代以降)
iPhone 6sシリーズや初代iPhone SEは公式のサポート対象外となっているため、FLAC再生は難しいと考えておいたほうがよいでしょう。
標準機能だけでFLACを再生する方法
追加のアプリを一切入れずに、iPhoneに元から備わっている機能だけでFLACを再生する方法があります。
「ファイル」アプリでFLACを開く
iOSに標準搭載されている「ファイル」アプリを使えば、FLACファイルをそのまま再生できます。
手順はとてもシンプルです。
- 「ファイル」アプリを開く
- FLACファイルが保存されている場所(iCloud Driveや端末内のフォルダ)を開く
- FLACファイルをタップする
これだけで再生が始まります。バックグラウンド再生にも対応しているので、音楽を聴きながら他のアプリを使うことも可能です。
標準機能だけのデメリット
「ファイル」アプリでの再生には大きな制限もあります。
- Apple Musicライブラリに追加できない
- プレイリストが作れない
- 再生履歴が残らない
- 音楽プレイヤーとしてのUI(ユーザーインターフェース)が整っていない
つまり「とりあえず1曲聴く」には便利ですが、本格的に音楽ライブラリとして管理したい人には物足りないのが正直なところです。
標準機能だけでは不十分な理由
ファイルアプリでの再生は、あくまで“簡易的な対応”に過ぎません。
音楽を聴くという行為には、再生するだけでなく「アルバム単位で管理したい」「プレイリストを作りたい」「車で聴きたい」「クラウドにある音楽をストリーミングしたい」といったニーズがつきものです。
そうした要望に応えるには、サードパーティ製のアプリを導入するのが現実的です。
iPhoneでFLACを再生するおすすめアプリ
ここからは、iPhoneでFLACを快適に再生できるおすすめアプリを紹介します。アプリごとに特徴や向いている人が違うので、自分の使い方に合ったものを選んでください。
1. VLC for Mobile
VLCは、オープンソースで開発されている老舗のメディアプレイヤーです。FLACはもちろん、MP3やWAV、動画ファイルまで、ほぼすべてのフォーマットに対応しているのが最大の強み。
- メリット:完全無料で広告なし。多機能でありながらシンプルに使える。
- デメリット:CarPlayへの対応状況が変動的で、確実ではない場合がある。
- 向いている人:とりあえず無料で始めたい人、さまざまなファイル形式を扱う人。
- 向いていない人:CarPlayでの利用を最優先する人。
まずはひとつアプリを試してみたいという方には、間違いなく有力な選択肢です。
2. Flacbox
Flacboxは、クラウドストレージやNASからの直接再生に強いFLAC再生アプリです。
Google DriveやDropbox、OneDriveなどの主要クラウドサービスに加え、SMBやWebDAV経由でNASにアクセスできるため、iPhoneのストレージを気にせず大容量の音楽ライブラリを再生できます。
- メリット:クラウド/NASから直接ストリーミング再生が可能。CarPlayにも対応。
- デメリット:高機能な分、一部機能は課金(月額または買い切り)が必要。
- 向いている人:音楽ファイルをクラウドやNASに保存している人、CarPlayをよく使う人。
- 向いていない人:すべてのファイルをiPhone内で完結させたい人。
無料版でも基本的な再生は可能なので、まずは試してみるのもよいでしょう。
3. FLAC Player+
FLAC Player+は、FLAC再生に特化したシンプルな音楽プレイヤーアプリです。余計な機能を削ぎ落とした分、直感的に使えるのが特徴です。
10バンドのイコライザーも搭載しており、好みの音質に調整しながら楽しめます。
- メリット:シンプルで使いやすい。広告削除のみの低コストな課金体系。
- デメリット:多機能プレイヤーと比べるとできることは限られる。
- 向いている人:シンプルさを重視する人、イコライザーで音を調整したい人。
- 向いていない人:クラウド連携など高度な機能を求める人。
ファイル転送は主にiTunes経由のファイル共有になる点は覚えておきましょう。
その他の選択肢
上記以外にも、以下のようなアプリがFLAC再生に対応しています。
- foobar2000:PC用プレイヤーの老舗が手がけるモバイル版。音質志向で有名ですが、CarPlayに非対応という制限があります。
- Evermusic:クラウド連携に強いプレイヤーです。
- VOX:洗練されたデザインと高音質が特徴。
- Neutron Music Player:マニア向けの高度なカスタマイズ性を持つプレイヤーです。
これらのアプリは目的や好みに応じて検討するとよいでしょう。
FLACをALACに変換するという選択肢
アプリを入れる以外にも、FLACをALACに変換するという方法があります。
ALACはAppleが開発したロスレス形式で、変換すれば標準の「ミュージック」アプリで再生できるようになります。Apple MusicやiCloudとシームレスに連携できるのが大きなメリットです。
ただし、変換作業には手間と時間がかかるうえ、変換ソフトが有料の場合も多いのが現実です。
- 向いている人:Apple純正アプリでの管理を徹底したい人。
- 向いていない人:変換の手間をかけたくない人。
変換するか、アプリでそのまま再生するかは、自分の音楽ライフスタイルに合わせて選ぶとよいでしょう。
iPhoneでFLACを聴くときの注意点
アプリの価格や機能は変わる可能性がある
今回紹介したアプリの価格体系や機能は、アップデートによって変更されることがあります。購入やダウンロードの前に、App Storeで最新の情報を確認することをおすすめします。
高音質を活かすには環境も大切
FLACはロスレス形式ですから、その恩恵をしっかり受けたいなら、ある程度の性能を持つイヤホンやヘッドホンを使いたいところです。さらにこだわるなら、外部DAC(デジタルアナログ変換器)を導入するのも手です。
ファイルの転送方法を確認する
アプリによって、iPhoneへのファイル転送方法が異なります。
- USBケーブルでパソコンから転送
- Wi-Fi経由で転送
- クラウドストレージからストリーミング
特に大容量のFLACファイルを扱う場合は、転送方法が自分にとって負担にならないかもチェックポイントになります。
よくある疑問
Q. FLACファイルはApple Musicのライブラリに追加できますか?
できません。FLACファイルは「ファイル」アプリやサードパーティ製アプリで管理する必要があります。Apple Musicのライブラリと統合したい場合は、ALACに変換するのが現実的です。
Q. 変換せずに再生する方法と、変換する方法、どちらがいいですか?
利便性を重視するならアプリでそのまま再生する方法、Appleの生態系との統合を重視するならALACへの変換が向いています。自分の使い方次第です。
Q. 無料でFLACを再生する方法はありますか?
はい。「ファイル」アプリを使えば完全無料で再生できます。また、VLC for Mobileも無料で使えるので、こちらもおすすめです。
Q. CarPlayでFLACを再生できますか?
アプリによります。FlacboxはCarPlayに対応していますが、VLCやfoobar2000は対応が不安定だったり非対応だったりするので、車で聴く予定がある人は対応アプリを選びましょう。
まとめ:自分に合った再生方法を見つけよう
iPhoneでFLACを再生する方法は、大きく分けて以下の3つです。
- 標準の「ファイル」アプリで再生する:無料で手軽だが、機能は最小限
- サードパーティ製アプリで再生する:機能が充実し、快適な音楽体験ができる
- ALACに変換してミュージックアプリで再生する:Apple生態系と完全統合できるが、手間がかかる
どの方法が正解かは、あなたの音楽の聴き方次第です。
- とにかく手軽に聴きたい → 「ファイル」アプリ
- 無料で多機能に使いたい → VLC for Mobile
- クラウドやNASから聴きたい → Flacbox
- シンプルにFLAC再生に集中したい → FLAC Player+
それぞれの特徴を踏まえて、自分にぴったりの方法を選んでみてください。せっかくのFLACファイル、iPhoneでも快適に楽しみましょう。

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