「Ankerのモバイルバッテリー、リコールって聞いたけど、自分が持ってるやつは対象なの?」「回収って言われても、どうやって返せばいいの?」そう思ってこの記事にたどり着いたあなたに、まず結論からお伝えします。
2026年8月現在、Ankerでは少なくとも2つの異なるリコールが発生しており、対象モデル・対応方法・問い合わせ先がそれぞれ異なります。さらに「日本で買った製品を海外で使っている」「中国のサイトでSNを確認したら対象外と言われた」というケースでは、特に注意が必要です。多くのユーザーがこの「国による判定の違い」で混乱しています。正しい手順は、購入した国の公式サイトを最優先で確認すること。そして現在は、ほとんどのケースで製品を物理的に返送する必要はなく、自宅で安全に処分する「塩水処理」が推奨されています。
この記事では、2025年6月から10月にかけて発表された複数のリコール情報を整理し、あなたの製品が対象かどうかの確認方法、そして実際の回収・廃棄手続きをステップバイステップで解説します。特に、ネット上の口コミで多く見られる「つまずきポイント」や「他記事にはない実践的なコツ」まで踏み込んでお伝えします。
Ankerモバイルバッテリー回収の背景:なぜリコールが起きたのか
Ankerは世界的に人気の高いモバイルバッテリーブランドですが、2025年に入って大規模なリコール(回収)が相次ぎました。その背景には、バッテリーの核心部品である「電芯(でんしん)」の製造工程における問題がありました。
2025年6月、中国の国家市場監督管理部門の承認を得て、Anker Innovationが大規模な自主回収を発表しました。原因は特定のサプライヤーが供給した電芯に未承認の原材料変更があり、これにより過熱や発火のリスクが生じる可能性が確認されたためです(出典:新湖南、2025年6月)。
さらに同年9月には、米国消費者製品安全委員会(CPSC)が公式にリコールを発表。対象となった約48万1千台のモバイルバッテリーに関連して、すでに発火・爆発事故が33件報告されており、そのうち軽傷が4名、重大な物的損害が1件発生していたことが明らかになりました(出典:CPSC公式発表、2025年9月)。
日本でも後を追うように、2025年10月に経済産業省の指示に基づきAnker Japanが新たなリコールを発表。これは6月のものとは別の案件で、モバイルバッテリー約41万台に加え、Bluetoothスピーカー3機種も対象に含まれていました(出典:共同通信、2025年10月)。つまり、一口に「Ankerのリコール」と言っても、時期や原因、対象製品が異なる複数のケースが存在するのです。
あなたのモバイルバッテリーは対象?型番とSNの確認方法
まずは、自分の持っているAnkerモバイルバッテリーがどのリコールの対象なのかを特定しましょう。ここでの確認ミスが、後の手続きで大きな混乱を生む原因になります。
2025年6月発表(中国発端)の対象モデル
中国市場向けに発表された対象モデルは以下の通りです。
- A1642
- A1647
- A1652
- A1680
- A1681
- A1689
- A1257
これらのモデル番号は、製品本体の底面または裏面に記載されています。ただし、すべてのA1257が対象というわけではなく、特定の製造バッチのみがリコール対象です。そのため、モデル番号だけでなく、シリアルナンバー(SN)の確認が必須となります。
2025年10月発表(日本)の対象モデル
こちらは日本国内で新たに発表されたリコールで、主な対象は以下の通りです。
- A1263(モバイルバッテリー、約41万台)
- Soundcore 3(約9万1千台)
- Soundcore Motion X600(約1万5千台)
- Soundcore Select 4 Go(約3千台)
(出典:IT之家、2025年10月)
こちらもモデル番号に加えてSNの確認が必要です。
SN確認の落とし穴:「購入した国」のサイトでチェックする
ここが最も多くのユーザーがつまずくポイントです。Ankerのリコールページは、国や地域ごとに独立して運営されています。そのため、「中国のAnkerサイトでSNを入力したら対象外だったのに、日本のAnkerサイトでは対象だった」というケースが実際に発生しています。
例えば、日本で購入したA1257を中国に持ち込んで使用している方が、中国のAnker公式サイトでSNを確認すると「対象外」と表示されます。これはシステムの不具合ではなく、日本市場向けと中国市場向けでは、たとえ同じモデル番号でも製造バッチや部品のトレーサビリティが別管理になっているからです(出典:Anker中国コールセンター回答、2025年6月)。
必ず「製品を購入した国」のAnker公式サイトまたはアフターサービス窓口でSNを確認してください。 今現在住んでいる国ではなく、購入した国が基準です。
【重要】回収手続きの流れ:返送はもう不要?「塩水処理」とは
リコール対象であることが確認できたら、次は実際の回収・廃棄手続きです。このプロセスは、リコール発表直後から大きく変化しています。
初期の混乱:リチウムイオンバッテリーは送れない
リコール発表直後、Ankerはユーザーが自分で宅配便を手配して製品を返送する方式を取っていました。しかし、モバイルバッテリーに使われているリチウムイオン電池は、国際航空輸送規格(IATA)や日本の国内法で「危険物」に分類されます。そのため、多くの宅配便会社が輸送を引き受けてくれず、ユーザーは郵便局やコンビニを何件も断られる事態が発生しました。SNS上でも「Ankerから保護袋が届いたけど、それでも受け取ってくれなかった」という不満の声が多数見られました。
現行のスタンダード:「塩水浸漬」による自宅処理
この物流上の問題を受けて、Ankerは対応を変更。現在はユーザーが自宅でバッテリーを安全に無効化し、その証拠写真を提出する方式が主流になっています。その方法が「塩水浸漬(えんすいしんせき)」、いわゆる塩水処理です。
具体的な手順は以下の通りです(出典:Anker公式カスタマーサポート発表、2025年6月)。
- 水5リットルに対して食塩250グラムを溶かし、十分な濃度の塩水を作ります。
- 対象のモバイルバッテリーをこの塩水に24時間完全に浸します。
- 24時間経過後、バッテリーを取り出し、完全に乾燥させます。
- 処理後の製品写真と、マジックなどで「RECALL」と書いた製品の写真を撮影し、Ankerの専用フォームから提出します。
- 写真が確認され次第、返金や代替品送付などの補償手続きが進められます。
この塩水処理には科学的な根拠があります。塩水は電気を通すため、バッテリーに残っている電気をゆっくりと放電させ、完全に安全な状態にする効果があるのです。ただし、この処理中には微量の水素ガスが発生する可能性があります。必ず換気の良い場所で行い、密閉した容器は避けましょう。また、処理後の廃棄については、お住まいの自治体のルールに従って「不燃ごみ」などとして処分してください。
地域別対応比較表
| 対応シナリオ | 対象モデル例 | 対応窓口 | 物理的な返送要否 | 実質的な処理方法 | 備考(注意点) |
|---|---|---|---|---|---|
| 中国国内で購入・使用 | A1642, A1681, A1257 等 | Anker中国(WeChat公式アカウント等) | 不要 | 塩水浸漬(24時間)による自主廃棄 + 写真提出 | 返金/交換/クーポンから選択可 |
| 日本で購入し中国に持ち込み | A1257(日本対象) | Anker日本(日本公式サイト) | 事実上不可 | 日本のサポートに連絡し、現地での塩水処理を事前承認してもらう | 最大の落とし穴。中国窓口では処理不可 |
| 米国で購入・使用 | A1647, A1689 等 | Anker米国(リコール専用ページ) | 不要 | 製品写真(マジックで”RECALL”記載)のアップロード | 事故報告多数のため早急な対応推奨 |
| 日本国内で使用(2025年10月対象) | A1263(PowerCore 10000) | Anker日本 | 要確認 | 日本Anker公式の最新案内に従う | 2025年6月のリコールとは別手続き |
ユーザーのリアルな声:塩水処理への不安と国境を越えた混乱
実際のユーザー投稿を分析すると、手続き自体の評価は分かれています。肯定的な意見としては、「返金対応が早かった」「自宅で処理できるのは手間が省けて良い」といった声がある一方で、否定的あるいは不安を感じている声も少なくありません。
特に目立ったのが、先述した「国による判定の違い」への混乱です。SNSでは「日本で買ったAnkerのSN番号を中国のサイトで入れると対象外と言われる。どっちを信じればいいのか」といった趣旨の投稿が複数確認されました。また、「本当に塩水に浸すだけで安全なのか」「廃棄するときの自治体のルールが分からない」「浸している間に泡が出てきたが大丈夫か」といった、処理方法そのものへの不安も多く見受けられました。
これらの声が示すように、公式発表だけでは伝わりきらない実践上の疑問や不安が、ユーザーの間には多く存在します。特に「日本で購入したが今は海外在住」というケースでは、Ankerのサポート体制が国ごとに分かれていることを理解した上で、日本側の窓口に相談することが唯一の正しい解決策と言えるでしょう。
モバイルバッテリー回収でおすすめのAnker製品と選び方
今回のリコールで手元のモバイルバッテリーを返却・廃棄した後、新しい製品を検討されている方も多いでしょう。リコール対象となったモデルは、いずれもAnkerの人気シリーズでした。新しい製品を選ぶ際には、以下のポイントに注意してください。
- PSEマーク(電気用品安全法)の有無を確認する:日本国内で販売されている正規品には必ずPSEマークが付いています。並行輸入品などはこのマークがない場合があり、万が一の際に日本のサポート対象外となる可能性があります。
- 購入は正規販売店から:Amazonや家電量販店の正規販売ルートであれば、日本のAnkerサポートが受けられます。
- 容量と出力を用途に合わせて:日常使いなら10,000mAh前後、スマホの複数回充電やノートPCの緊急充電が必要なら20,000mAh以上が目安です。
ここでは、リコール対象となったモデルに代わる、安定した人気モデルを紹介します。
Anker PowerCore III 10K
薄型でコンパクトながら、USB Power Deliveryに対応し、急速充電が可能なモデルです。10,000mAhの容量は1日のお出かけに最適で、iPhoneであれば約2回のフル充電ができます。
Anker PowerCore 20100
大容量20,100mAhを誇るロングセラーモデルです。スマートフォンなら約4〜5回、タブレットでも約1.5回の充電が可能で、旅行や出張にも安心して持ち運べます。2ポート搭載で同時充電にも対応しています。
Anker PowerCore Slim 10000
ポケットにもスッと収まるスリムなデザインが魅力の10,000mAhモデルです。軽量で持ち運びやすく、外出先でのちょっとした充電に最適です。カラーバリエーションも豊富です。
Ankerモバイルバッテリー回収に関するよくある質問とまとめ
最後に、多くのユーザーが疑問に思うポイントをQ&A形式でまとめます。
Q. リコール対象かどうか、どこのサイトで確認すればいいですか?
A. 製品を購入した国のAnker公式サイトで確認してください。日本で買ったなら日本のAnker、中国で買ったなら中国のAnkerが正しい窓口です。
Q. 製品をすでに捨ててしまいました。それでも補償は受けられますか?
A. 基本的には、製品が対象であることの証明(SNが確認できる写真など)が必要です。すでに廃棄している場合は、Ankerサポートに直接問い合わせてみてください。ただし、補償を受けられる保証はありません。
Q. 塩水処理をした後、製品はどうやって捨てればいいですか?
A. 完全に乾燥させた後は、お住まいの自治体のルールに従って処分してください。多くの場合「不燃ごみ」または「資源ごみ(金属類)」としての処分が可能です。自治体のホームページで必ず確認しましょう。
Q. 2025年6月と10月、両方のリコールに対象が重なっている場合は?
A. それぞれ別のリコールですので、両方の手続きを個別に行う必要があります。対象モデルが異なるため、まずはそれぞれのモデル番号とSNを確認しましょう。
今回のAnkerモバイルバッテリーのリコールは、複数の国で時期をずらして発生し、対応方法も変化したため、非常に複雑なものになりました。しかし、基本は「購入した国」の公式情報を最優先にすること。そして現在は「塩水処理」という安全で確実な方法が確立されています。もし手続きで迷ったら、Ankerのカスタマーサポートに直接連絡するのが最短ルートです。あなたの大事なモバイルバッテリーが対象かどうか、今すぐ本体の型番とSNを確認してみてください。安全な処分とスムーズな補償手続きを行い、新しいパートナーとなるモバイルバッテリーを見つけましょう。

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